2006 Fiscal Year Annual Research Report
施設等にいる虐待された乳幼児に対する愛着障害とPTSDの検証とインターベンション
Project/Area Number |
17330138
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
数井 みゆき 茨城大学, 教育学部, 教授 (20282270)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金丸 隆太 茨城大学, 大学院教育学研究科, 講師 (30361281)
森田 展彰 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 講師 (10251068)
後藤 宗理 名古屋市立大学, 大学院人間文化研究科, 教授 (90115569)
中島 聡美 国立精神・神経センター, 精神保健研究所・成人精神保健部, 室長 (20285753)
遠藤 利彦 京都大学, 大学院教育学研究科, 助教授 (90242106)
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Keywords | 虐待 / 乳児院乳児 / 生理学的データ / 行動観察 / アタッチメント / トラウマ / サーモグラフィ |
Research Abstract |
乳児院において、乳児の体表面の反応を検討するための本実験に取り組みはじめた。いくつかの試行鐘誤を繰り返した結果、不安を感じる場面設定を、保育者といっしょ(3分)→分離場面(乳児一人になるか、見知らぬ者が入室するか:3分)→再会場面(4分)というように行った。サーモグラフィ、心拍変動を計る生体システム、ビデオカメラを部屋内に設直した。乳児院への入所乳児15名と、家庭養育群(比較のため)の18名について、現在、データが収集されている。 これ以外に、行動観察からのデータ収集を順次開始している。この目的は、表面的な行動と生理学的な行動との両面から分析をすることで、より詳細な結果が得られろと判断したためである。 サーモグラフィに関しては、乳児の反応がでるのに1分前後の時間がかかる場合がある。生体システムの場合には、心拍や呼吸変動心拍について、交感神経、副交感神経からの反応が場面の変化と対応して瞬時に現れる。しかし、子どもがこの設定場面からの影響ではない泣きやぐずりを行った場合でも、それがデータとして残ってしまうという課題について、現在、ローデータを検討してどのように分析変数とするか検討中である。 部分的に、RIDSを用いた発達検査を行ってきたが、乳児院入所乳児において、特に言語表出や対人関係での得点のみ低い(30点〜40点ほど低い)という子どもが存在することがわかった。これらの乳児は追跡が可能なので、生育歴や生理学的データと照らしあわせて、詳細な分析をおこなうことにした。アタッチメントの問題が乳児院入所の子どもでは言語発達た関連しているようである。トラウマに関することは、個別的要因の方が大きいという感触を得ている。
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Research Products
(2 results)