2005 Fiscal Year Annual Research Report
散在型有限単純群と頂点作用素代数に内包された対称性の発見
Project/Area Number |
17340001
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
宮本 雅彦 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (30125356)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 純 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (20166416)
内藤 聡 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 助教授 (60252160)
木村 達雄 筑波大学, 大学院数理物質科学研究科, 教授 (30022726)
杉山 和成 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 準研究員 (90375395)
田邊 顕一郎 北海道大学, 理学部, 助教授 (10334038)
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Keywords | 散在型有限単純群 / 頂点作用素代数 / モンスター単純群 / ムーンシャイン加群 / マッカイの考察 / 位数公式 / 宮本自己同型 / フレイム頂点作用素代数 |
Research Abstract |
本年度の研究実績 本年度の研究により、以下のことを進展させた。 (1)最大位数を持つ散在型有限単純群であるモンスター単純群の位数2の共役類2A達が見せるE_8型のルート格子との不思議な関係(マッカイのE8考察)を頂点作用素代数の立場から説明しようという研究は、本研究の出発点となったものであるが、第一段階としてLam Ching Hung氏との共同研究「マッカイのE8-図形とモンスター単純群の関係」を本年度は整理し、証明を簡略化させ、発展させた。論文としても、一応完成させ投稿中である。また、この結果は12月の熊本での群論研究集会で発表している。これは頂点作用素代数研究グループであるLam,佐久間、山田、山内氏達によりさらに発展している。 (2)散在型有限単純群の構造は上で述べたように、位数2の元の性質によって大きく左右されるが、2つの共役類を持つ場合にはトンプソンの公式によって、群のかなりの部分が決定できる。しかし、共役類が1つの場合にはこれまで位数等を与えるような結果は知られていなかった。本研究では、群論グループと議論を重ね、最終的にオハイオ州立大学の原田耕一郎氏と共同で、そのような場合でも群の構造がかなり抑えられることを示した。これにより、散在型有限単純群はすべて決定できることになる。この結果およびそこで出された予想などは群論グループ(熊本大学の八牧等)によって研究が続けられている。 (3)頂点作用素代数で有名なフレイム頂点作用素代数の構造に関して、組合せ論グループと議論を進め、これまでの結果をかなり発展させたり、証明をかなり簡略化させることに成功した。これは今年度ヨーロッパ数学会から出版される原田耕一郎著の6章「頂点作用素代数の自己同型群」の中に記載される。 において重要なヴィラソロ代数の拡張の観点から研究を進める。
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