2006 Fiscal Year Annual Research Report
ファノ多様体とモジュライ空間-フェアリンデ公式とヒルベルト第14問題を中心にして
Project/Area Number |
17340006
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
向井 茂 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (80115641)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 重文 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (00093328)
中山 昇 京都大学, 数理解析研究所, 助教授 (10189079)
中村 郁 北海道大学, 理学研究科, 教授 (50022687)
蔵野 和彦 明治大学, 理工学部, 教授 (90205188)
吉岡 康太 神戸大学, 理学部, 教授 (40274047)
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Keywords | Hilbertの第14問題 / Verlinde公式 / quiver / Enriques曲面 / Hilbert概型 / ファノ多様体 |
Research Abstract |
1.Kronecker quiverに対するHilbertの第14問題 2次元加法群の線形表現の不変式環がいつも有限生成ではないかという問題(2001年)の特別な場合としてKronecker quiverの場合を研究した.Kronecker quiverの直既約表現はpreinjecive, preprojective, regularの3種類に大別される.直既約成分としてpreprojectiveなものを含まない場合に肯定的解答を与えた.現在,論文を準備中である. 2.Kronecker quiverの不変式環に対するVerlinde型公式 1個のpreinjecive表現の場合とregular表現の直和(永田型)の場合には前年度にVerlinde公式に似た次元公式を得たが,今年度はそれの拡張を試みた.目的達成の手段として,次の二つの場合に不変式環をRees環として表すことに成功した.(a)1個のpreinjecive表現と永田型の直和,(b)2個のpreinjecive表現の直和で片方が3次元の場合.Verlinde型公式に関してはメキシコ(12月)や韓国(1月)での国際研究集会と英国Cambridge大学のKuwait講義(1月)等において研究成果を発表した. 3.前年度に引き継いでEnriques曲面のinvolution(位数2の自己同型)を研究した.今年度初頭は数値的に自明で非Kummer型のものを調べ,それがBarth-Petersによって発見されたもので尽きることを証明した.(1984年の証明は不完全で,genericなものがBarth-Peters型であることしか示していない.) 4.前項の研究を発展させて,コホモロジー群への作用の固有値-1の重複度が1のinvolutionを分類した.これには2種類あり,一つはKummer 4次曲面のHutchinson表示よりえられる.さらに進んで,Enriques曲面のinvolutionの一般的な分類にまで目処をつけることができた. 5.前年度に引き続いて,分担者那須弘和と3次元多様体の中の曲線の変形について共同研究を行い,無限小変形の障害類が消えないための一般的かつ局所的な十分条件をえた.応用として,Mumfordのnon-reduced成分の例(1962年)の再解釈ができる.研究成果は6月に京都大学数理解析研究所のプレプリント"Obstructions to deforming curves in a 3-fold, I"にまとめた. 6.O'GradyはEisenbud-PoPescu-Walterの6次超曲面を使ってsymplectic 4-foldの20次元族を具体的に与えた.これに関連して指数2の4次元ファノ多様体の周期に関する20数年前の研究資料を整理して復習した.
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Research Products
(6 results)