2007 Fiscal Year Annual Research Report
ファノ多様体とモジュライ空間-フェアリンデ公式とヒルベルト第14問題を中心にして
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17340006
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
向井 茂 Kyoto University, 数理解析研究所, 教授 (80115641)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 重文 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (00093328)
中山 昇 京都大学, 数理解析研究所, 准教授 (10189079)
中村 郁 北海道大学, 理学研究科, 教授 (50022687)
蔵野 和彦 明治大学, 理工学部, 教授 (90205188)
吉岡 康太 神戸大学, 理学部, 教授 (40274047)
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Keywords | モジュライ / K3曲面 / Enriques曲面 / Hilbert概型 / Brill-Noether理論 / Hom概型 / レベル階数双対性 / Kummer曲面 |
Research Abstract |
1.前年度に引き続いて、Enriques曲面の位数2の自己同型の分類を続けた。数値的に自明なものの再分類を行い、コホモロジー的に自明なものはBarth-Peters型だけであることを示した。また、コホモロジー群に鏡映として作用するものを分類した。 2.前項の最後の分類にKummer4次曲面のGopel4面体が現れる。これに触発されてJacobian Kummer曲面を普遍被覆とするEnriques曲面を考察した。Kummer曲面が一般のときそれらはGopel,even theta characteristics, Hessianの3種類(10+15+6=31個)で尽きるだろうと予想した。(その後、大橋久範君が証明している。) 3.那須弘和氏との共同研究と関連して、一般モジュラスの代数曲線から射影的等質空間への射の全体のなすHom概型を調べた。特に、非特異2次超曲面への射の個数が有限と期待される場合(ただし偏極は固定)に、その個数の予想を与えた。 4.種数g(次数2d-2)が大きい偏極K3曲面の射影モデルとそれらのモジュライを考察した。種数g=16のときに、有理3次曲線のHilbert概型の中に実現されるものを見つけた。この記述を用いてモジュライの単有理性を証明しようとしたが、消滅定理の欠如のために証明できなかった。g=17の場合は種数5の曲線の非可換Brill-Noether軌跡としての記述を発見した。この偏極K3曲面が一般モジュラスであることの証明に成功し、系としてモジュライの単有理性が得られた。
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Research Products
(9 results)