2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17340010
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
栗原 将人 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (40211221)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
落合 理 大阪大学, 大学院・理学研究科, 講師 (90372606)
藤井 俊 早稲田大学, 理工学部, 助手 (20386618)
加藤 和也 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90111450)
塩川 宇賢 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (00015835)
田中 孝明 慶應義塾大学, 理工学部, 助手 (60306850)
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Keywords | 整数論 / 岩澤理論 / 楕円曲線 / 岩澤主予想 / p進L関数 / 有理点 |
Research Abstract |
岩澤理論の中心となっているのは岩澤主予想とよばれる関係である(古典的なイデアル類群に関する場合には証明されている)。この関係は、円分Z_{p}拡大のGalois群の群環上の加群として、岩澤加群の0次Fittingイデアルがp進L関数で生成される、と記述することもできるので、もっと一般のGalois群上で考えたり、高次のFittingイデアルを考えることにより、岩澤理論の精密化を行いたいと考える。今年度に得られた主な結果は以下の通りである。 1.総実代数体k上のCM体Kで、K/kがAbel拡大であるものを考える。Kのイデアル類群Cl_{K}をZ[Gal(K/k)]加群と見て、0次のFittingイデアルF_{0}を考える。Stickelberger元θ_{K/k}に対し、θ_{K/k}に1の冪根の零化域を掛けたものは整であり、Cl_{K}を消すことが予想されている。そこで、Stickelberger元とFittingイデアルとの関係が重要な問題になるが、整なθ_{K/k}であって、F_{0}に入らないようなK/kが存在することを証明した。K/kの具体的な数値例も与えることができる。このことは、Fittingイデアルに対する新しい知見であり、精密化の予想についての重要な方向性を与えるものと思われる。 2.有理数体上に定義された楕円曲線Eに対し、その数論的性質とzeta関数との関係の典型例は、L関数のs=1での値が消えることとEのMordell Weil群が位数無限になることとが同値である、という予想であろう。私たちは、EのMordell Weil群が位数無限になることと同値になるであろうp進L関数についての新しい関係(通常のp進BSD予想とは異なるもの)を見つけ、それを部分的に証明した。またMordell Weil階数が1のときは、この関係を数値的に計算することにより、組織的、p進的に有理点を見つけることができることを示した。このような方法はStark単数との類似を考えると、大変興味深いものであると考える。
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Research Products
(5 results)