2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17340010
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
栗原 将人 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (40211221)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 克弘 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (40213722)
宮崎 琢也 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (10301409)
田中 孝明 慶應義塾大学, 理工学部, 助手 (60306850)
松野 一夫 首都大学東京, 都市教養学部理工学系, 助手 (40332936)
藤井 俊 早稲田大学, 理工学部, 助手 (20386618)
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Keywords | 整数論 / 岩澤理論 / 岩澤主予想 / Stickelberger元 / Fittingイデアル |
Research Abstract |
岩澤理論の中心となっているのは岩澤主予想とよばれる関係である(古典的なイデアル類群に関する場合には証明されている)。この関係は、円分Z_{p}拡大のGalois群の群環上の加群として、岩澤加群の0次Fittingイデアルがp進L関数で生成される、と記述することもできるので、もっと一般のGalois群上で考えたり、高次のFittingイデアルを考えることにより、岩澤理論の精密化を行おうとしている。まず、Stickelberger元はいつでも0次Fittingイデアルに入るか、という自然な問題が浮かぶが、このことに関して、その反例を見つけることができた。理論的に、さまざまな反例を構成した。また、具体的な数値例としては、実2次体を基礎体として、その6次のアーベル拡大で、その反例を構成した。われわれは、このような反例は有理数体上には存在しないだろうと考えているので、奇素数成分から作られる反例としては、これが最小の次数を持つものであろうと思われる。 次に、今までRubinやMazurが考えていたKolyvagin系とは異なる、新しい型のKolyvagiil系が存在することを証明し、その理論を構成した。これらの元の系列は、Brumerの予想(とその類似)から自然に構成されるEuler系を使って構成するのだが、このEuler系がRubinの言葉で、有限なものなので、RubinやMazurのKolyvagin系の一般論からは構成できない。われわれは、非常に繊細な議論を用いて、これらの元の系列を構成した。われわれの構成した新しいKolyvagin系は、ゼータ関数の値と結びつく非常に美しい性質を持っている。ガロアコホモロジーの中に存在するこれらの新しい元の系列を詳しく調べることはきわめて重要なことであると思われる。 また、これらの新しいKolyvagin系を使うことにより、ガロアコホモロジーの中にセルマー群の関係式を与える元の系列を構成することができた。これらを用いて、セルマー群の関係式を解析していくことができる。
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Research Products
(4 results)