2005 Fiscal Year Annual Research Report
くりこみ群に基づく新しい確率解析の構築のための基盤研究
Project/Area Number |
17340022
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
服部 哲弥 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10180902)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹田 雅好 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30179650)
梁 淞 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 助教授 (60324399)
中西 敏浩 島根大学, 総合理工学部, 教授 (00172354)
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Keywords | くりこみ群 / 非マルコフ確率過程 / 自己抑制経路 / 自己回避経路 / 変位の指数 |
Research Abstract |
本研究の目的は,確率モデルのくりこみ群による解析という立場の中で,確率過程の漸近的性質の導出の研究を中心にして,最終的にくりこみ群という新しい解析学の可能性を追求することである. 本年度の主な実績は,くりこみ群による確率連鎖の解析の自明でない例として最も簡単な場合,即ち,Z上の確率連鎖のうちで1次元のくりこみ群で記述されるクラスの構成と漸近的性質の研究の進展である.特にその中のself-repelling walks(自己抑制経路)と我々が名付けたクラスについて,変位の指数をくりこみ群解析と精密な評価を伴う鏡像原理に基づいて決定した研究がJournal of Mathematical Science University of Tokyoに掲載された. くりこみ群は,観測精度のスケール変換に対する確率過程などの系の応答を適切なパラメータ空間上で表現する力学系である.くりこみ群の方法と呼ぶに値する普遍的な確率解析の方法は知られていないが,無限自由度系の,特に既存の枠組みと異なる「ブラウン運動に基づかない確率解析」としてのくりこみ群で解析可能な確率過程のクラスの研究を引き続き目指したい. このほか,長く東北大学数学教室の確率論研究を支えてきた竹田雅好氏とともに当教室着任時から開始した東北確率論セミナーについて,本年度は本科研費の支援の下でいっそうの充実を達成し,14回16人の講師の研究セミナーを開催した.セミナーとともに院生諸君の研究会参加も一部支援することで,確率論研究並びに院生教育(修士論文・博士論文研究)に大きな成果を挙げることができた.
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Research Products
(6 results)