2005 Fiscal Year Annual Research Report
動的計画法による制御積分方程式と数理ファイナンスの研究
Project/Area Number |
17340030
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
岩本 誠一 九州大学, 大学院・経済学研究院, 教授 (90037284)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 正実 千葉大学, 理学部, 教授 (00041244)
時永 祥三 九州大学, 大学院・経済学研究院, 教授 (30124134)
前園 宜彦 九州大学, 大学院・経済学研究院, 教授 (30173701)
川崎 英文 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (90161306)
丸山 幸宏 長崎大学, 経済学部, 教授 (30229629)
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Keywords | 動的計画法 / 積分方程式 / 非決定性最適化 / ポートフォリオ / 数理ファイナンス / 停止時刻 / 動的評価 / 不変埋没原理 |
Research Abstract |
全4年間の初年度に当たる今平成17年度は本研究の目標を設定するとともに、研究全体の進行計画を策定した。従来までの動的計画法では(a)確定的動的計画(deterministic dynamic programming)と(b)確率的動的計画(stochastic dynamic programming)が研究・応用されて来たが、本研究では新たに(c)非決定性動的計画(non-deterministic dynamic programming)を導入して、その最適方程式であるベルマン方程式を制御積分方程式(controlled integral equation)として新しい形の積分方程式を並行して研究する。さらに、いわゆる古典的解析学における積分方程式との関連を研究し、新たな応用として数理ファイナンスへの分野を構想している。しかし、本研究は従来の動的計画法の概念を打破するところに研究の基本視点を置いている。まず、(a)の確定的,(b)の確率性が逐次・再帰的最適化・評価の立場では極めて限定的であることを具体例などを通して明確にした。それは具体的には最適停止問題の非確率化、強いては非決定性化である。この分野における応用分野は人工知能などコンピュータサイエンス部門がある。ここでは非決定性化を意図しないで、個々の対象・問題毎に動的計画法を適用しているが、動的計画法として、有限段・非決定性システム・非線形評価の枠で全体を統括できることを示した。 今17年度は、非決定性動的計画法と制御積分方程式に関するこれらの成果は国内では日本数学会・統計数学分科会および研究集会「経済の数理解析」で、1次元連続状態空間上の非決定性システム上で2次評価の最小型積分方程式に黄金最適解が存在することを報告した。国際会議としては2005年IFORS17で発表し、制御積分方程式は日本発のオリジナルな研究であることが認知されるようになった。この体系的な研究には動的計画法・埋め込み法が適用できることが判明し、次年度以降の研究に繋がった。
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Research Products
(6 results)