2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17340033
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中村 周 東京大学, 大学院数理科学研究科, 教授 (50183520)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷島 賢二 学習院大学, 理学部, 教授 (80011758)
土居 伸一 大阪大学, 大学院理学研究科, 教授 (00243006)
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Keywords | シュレディンガー方程式 / 超局所解析 / 半古典解析 / 解の特異性 / 平滑化作用 / 波面集合 |
Research Abstract |
当研究計画の主目的である、シュレディンガー方程式の解の波面集合の解析については、以下のような進展があった。既に得られていた、短距離型の摂動の場合の波面集合の特徴付けを、長距離散乱理論の手法を一般化して用いることにより拡張し、長距離型摂動の場合の解の波面集合の特徴付けに関する論文を完成した(中村・投稿中)。一方、解析的波面集合に関する平滑化作用については、中村とAndre Martinez, Vania Sordoniの共同研究の成果を論文として発表した。シュレディンガー方程式の解の解析的波面集合の特徴付けについても、短距離型の場合については、中村とMartinez, Sordoniの共同研究が進展し、論文を投稿中である。長距離型の摂動の場合の、解析的波面集合の特徴付けについては、研究準備中である。以上の研究は、計昆が漸近的にユークリッド計量に収束する場合であるが、漸近的に錐状の計量に近づく、いわゆる散乱計量の場合についても、研究が進展している。中村と、共同研究者の伊藤健一(学振特別研究員DC2)との共同研究で、研究が進行中である。また、これらの研究で開発された手法を用いて、変数係数のシュレディンガー方程式の基本解の構成に関する研究も進行中である。 関連するシュレディンガー方程式に関する研究成果として、中村と共同研究者によるランダム・シュレディンガー作用素のウェグナー評価に関する論文を発表した。 谷島は、シュレディンガー方程式の解の平滑化作用の他の形式である、L-p型の平滑化作用についての研究を進展させ、0エネルギーでの特異性のある場合についての波動作用素のL-p有界性に関して、新しい成果を得た。
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