2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17340037
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西山 享 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70183085)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 信一 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90114438)
松木 敏彦 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20157283)
小林 俊行 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (80201490)
落合 啓之 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (90214163)
太田 琢也 東京電機大学, 工学部, 教授 (30211791)
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Keywords | アフィン商多様体 / 不変式論 / ユニタリ表現 / 冪零軌道 / 不変微分作用素 |
Research Abstract |
本研究では半単純対称対に附随する随伴軌道の幾何と対応する実半単純リー群のユニタリ表現の不変量や実現との関係について研究した。 具体的には、対称対に附随する随伴軌道の代数幾何的な性質(正規性、球等質性、次数など)とユニタリ最高ウェイト表現やそのテータ持ち上げの随伴サイクルの間の関係を、テータ対応を介して記述・理解することを目標としている。さらにその幾何学的側面や、不変微分作用素の理論への応用も視野にいれて現在、研究成果が蓄積されつつある。ここでは次の二点について報告する。 1.対称対の組のなすdual pairに関して、ある特別な不変微分作用素の対応が存在すること、その対応を具体的に(非可換)行列式を用いて記述することに成功した。このような対応で得られた微分作用素の恒等式を対称対のカペリ恒等式、行列式形で表された不変微分作用素をカペリ元と呼ぶ。以上はSoo Teck Leeおよび和地輝仁との共同研究であって、研究成果は現在専門誌に投稿中である。 2.テータ対応において、特殊な場合ではあるが、冪零錐の特異点解消を介して、旗多様体上の軌道の余法束が得られること、そのモーメント写像による像である冪零軌道が、ゼロ軌道のテータ持ち上げに他ならないことが判明した。これをきっかけとして、安定域以外の場合のテータ対応に関する理解が進み、安定域と非安定域のテータ対応を直接関連づけることが可能になってきたように思われる。これに関してはPeter Trapa, Soo Teck Lee,和地輝仁と共同研究中であり、近いうちに結果をまとめて発表する。 以上の研究と平行して、小林俊行はビジブルな作用と重複度自由性の関連を明らかにし、それは上で報告したカペリ恒等式の解釈に重要な視点をもたらすであろうことが認識されつつある。また、Soo Teck Lee, Joachim Hilgert, Peter Trapaの3名を招聘し、それぞれ調和多項式の理論、ケイリー対称対の理論、部分旗多様体上の幾何と随伴サイクルの理論の視点から共同研究の可能性を探った。結果は上記報告にもある通り、実り多いものであった。
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Research Products
(6 results)