2005 Fiscal Year Annual Research Report
数理物理における代数解析的方法(表現論・組み合わせ論・複素解析を中心として)
Project/Area Number |
17340038
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
三輪 哲二 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10027386)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神保 道夫 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (80109082)
尾角 正人 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教授 (70221843)
中屋敷 厚 九州大学, 大学院数理学研究院, 助教授 (10237456)
竹山 美宏 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 講師 (60375392)
庵原 謙治 神戸大学, 大学院・理学研究科, 助手 (00322199)
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Keywords | 量子スピン系 / 相関関数 / 密度行列 / XXX模型 / Virasoro代数 / 極小表現 / 単項基底 / 融合積 |
Research Abstract |
量子スピン系の相関関数の研究において以下に述べる進展があった。密度行列を積分を使わずに代数的に表示する問題において、非斉次遷移行列に対応する場合は、前年度までに結果が得られていた。斉次の場合に有効な表示式を求めることを課題として神保、竹山、Smirnov、Boosとの共同研究を行なった。非斉次の場合に用いられた有限サイズの遷移行列はテンソル積の一カ所が別扱いの櫛の歯が欠けた形のものであった。まずXXX模型の場合に$L$作用素が、直交射影となることを利用して書き直すことにより、密度行列を生成する作用素$\Omega$を、完全な形の有限遷移行列を使ってあらわし、それによって斉次密度行列の代数的な表示式を得ることができた。この表示式は$L$行列の補助空間として次元をパラメタとする空間の他に2個の2次元空間用いる。この部分を、修正することによってXXZおよびXYZ模型の場合にも、同様な表示式を書くことが出来た。一方、Virasoro代数の極小表現の単項基底の構成問題については、神保、竹山、B.Feigin, Mukhin, E.Feiginとの共同研究で以下に述べる進展があった。まず、$(2,1)$型の主要場を用いる場合については、$p'/p$の値が$2$を越える一般の場合に、作用素の3次関係式に由来する組合わせ論的条件を得ていたが、この結果を完成させ論文にまとめることができた。新しい展開としては、$(1,3)$型の主要場について、それから決まる極小表現の篩が、GKO構成で融合積を考えたときに得られる篩と一致することを示し、対応する組合わせ論的粒子構造を決定した。
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Research Products
(5 results)