2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17340041
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
利根川 吉廣 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80296748)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神保 秀一 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80201565)
柳田 達雄 北海道大学, 電子科学研究所, 助手 (80242262)
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Keywords | フェーズフィールドモデル / 変分問題 / 相分離 / 表面張力 / 非線形偏微分方程式 / 曲率流 / Allen-Cahn方程式 / 特異摂動 |
Research Abstract |
1.曲面や曲線に対し、その平均曲率(曲線の場合は単に曲率)の2乗積分量は曲線の弾性エネルギーや曲面積の変分問題及び曲率流問題等を考慮するにあたっては大変重要な量である.2相分離状況を表すPhase field(PF)法の枠組みにおいて拡散界面の曲率2乗積分量に相当する積分表現があるのであるが、それが実際に拡散界面の厚さを0に近づけたときに極限の界面の曲率2乗積分に対して自然な下半連続的な性質を持つ事を長瀬優子氏との共同研究で2次元空間、つまり界面が曲線の場合に示す事が出来た(平成18年2月現在論文投稿済み、査読中).また界面領域はハウスドルフの意味での距離で極限の曲線に収束する事も示せた.これら結果はPF法の数理解析においての基礎的な結果である.3次元も含む結果は同時期に独立してM.RoegerとR.Schaetzleが示したが、我々の方法とは異なる評価を用いたものである.この問題はDe Giorgiによって1991年の論文で提起、予想された経緯があり、その予想を2次元では我々が独立に証明したことになる. 2.2つの同等な安定点を持つポテンシャルを外力項として持つ確率偏微分方程式に対し、大偏差原理に動機付けられたaction functionalを考える.ある特別な時空スケールのみで空間的非一様性が期待されるのであるが、その特異極限問題を平成16年-17年にR.KohnとM.Reznikoffと共同で研究を行った(Calculus of Variations and PDEからOnline出版済).この研究はPF法で以前研究代表者が開発した技術が転用可能であったものである.引き続き研究集会の発表などを通じて同等ではない2つの安定点をもつポテンシャルの場合はどうなるか、問題提起されている.
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Research Products
(6 results)