2005 Fiscal Year Annual Research Report
カオスと大自由度力学系の理解のための力学系の大域的分岐の研究
Project/Area Number |
17340045
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
國府 寛司 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50202057)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宍倉 光広 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70192606)
岡本 久 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (40143359)
西浦 廉政 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (00131277)
小川 知之 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教授 (80211811)
辻井 正人 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20251598)
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Keywords | 力学系 / 分岐 / 大域的 / カオス / 大自由度系 / 特異性 / 計算機支援証明 / 位相計算理論 |
Research Abstract |
本年度の得られた主な研究成果は以下の通りである。 Kuramoto-Sivashinsky方程式の進行波解を記述する常微分方程式系であるMichelson系においてパラメータを変化させるとheteroclinic軌道の無限回の分岐がそれがsaddle-node周期軌道の分岐点に集積する"cocoon bifurcation"と呼ばれる分岐現象が見られる.国府はそれが一般的にcusp-transverse heteroclinic chain(CTHC)と名付けた特異不変集合からの大域的分岐によって引き起こされることを示した.このCTHCの構造は数値的にはMichelson系で存在が確認され,数学的な検証も比較的容易であると考えられる. 岡本はいくつかの連続だが微分不可能な関数を含む新しい関数族を構成し,フラクタル的なグラフを持つ関数の性質を調べた.西浦らは1次元格子上の空間離散的な反応拡散系においてカオス的な振る舞いをするパルス解を含むいくつかの興味深い挙動を示す解を数値的に見出した.これは近接結合を持つ結合系の力学系的振る舞いの研究に有用な手がかりを与えると思われる.小川らはSwift-Hohenberg方程式の大域的分岐を,位相的方法と精度保証付き計算に基づく計算機支援証明を組み合わせた位相計算理論を用いて調べた.辻井らはsolenoidal attractorと呼ばれるある種の歪積型の2次元写像のSRB測度の密度関数の微分可能性に関する結果を得た.
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Research Products
(5 results)