2008 Fiscal Year Annual Research Report
完全積分可能系に関係する可換微分作用素環およびその固有函数の構造
Project/Area Number |
17340046
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
伊達 悦朗 Osaka University, 大学院・情報科学研究科, 教授 (00107062)
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Keywords | 可解格子模型 / 一般超幾何微分方程式 / Bethe仮説 |
Research Abstract |
本研究において前年度までに見出したsuperintegrableなchiral Potts模型に対するBethe仮説の方法に関連して現れる多項式があるクラスの一般超幾何微分方程式を満たすという関係に関して引き続き考察を進めた.統計物理学の立場からはこれらの多項式の零点に関する詳しい情報を得ることが必要となる.本年度においては、当該の一般超幾何微分方程式が,もともとはPade近似の研究から見いだされたものであるが,最近,類似の統計物理学のモデルであるGaudin模型に関するBethe仮説の研究にも現れている,いわゆる多重直交多項式の一つであるJacobi-Pineiro多項式が満たす微分方程式のクラスに密接に関係していることを見いだした.多重直交多項式は大別して二つクラスに分かれるが,上述のものは複数の重み函数に関する直交性を持ち,通常の直交多項式と類似の性質を持つことが知られている.このような観点から調べていくことにより,元来の目標であるchiral Potts模型に関係する多項式の零点などについて更なる情報が得られないか検討中である。またchiral Potts模型の研究者との討論を通して最新の国内外の研究成果についての知見を得た.またCalogero-Moser系の研究に関係する準不変式の具体的な表示式の導出に関しても当該分野の研究者を招いて最新の成果について議論することにより理解を深めた.
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