2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17340048
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中屋敷 厚 Kyushu University, 大学院・数理学研究院, 准教授 (10237456)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑野 泰宏 鈴鹿医療科学大学, 医用工学部, 教授 (80309038)
今野 均 広島大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (00291477)
趙 康治 九州大学, 大学院・数理学研究院, 准教授 (10197634)
金子 譲一 琉球大学, 理学部, 教授 (10194911)
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Keywords | シグマ関数 / タウ関数 / ヤコビ多様体 / 自由場表示 / qKZ方程式 |
Research Abstract |
アフィンヤコビ多様体のアフィン環のD-加群構造を調べるため今年度は、昨年度に引き続き多変数シグマ関数の性質とその応用について研究しました。また、可積分場の量子論における局所場の空間の構造を調べることを目指して、自由場表示による、高レベルクニズニク・ザモロドチコフ(qKZ)方程式の解の積分表示について研究しました。 シグマ関数については昨年度証明したべき級数展開の基本性質に関する論文を完成しました。その過程でKPヒエラルヒーとよばれる普遍性を持つソリトン方程式の従属変数であるタウ関数の多変数シグマ関数による表示式を発見しました。この関係式によりシグマ関数の性質をタウ関数の性質を用いて研究することが可能となりその方向で引き続き研究を続けています。 qKZ方程式の解については、q-脇本加群とよばれる自由場から定義されるアフィン量子群の表現に作用する頂点作用素の行列要素を計算し、Tarasov-Varchenkoにより調べられているqKZ方程式の解の積分表示の被積分関数が再現されることを示しました。この結果は可積分表現の間の頂点作用素のいわゆるn点関数を決定するための第一歩と考えられます。論文を完成した後、同様の結果がAwata-Odake-Shiraishiらの共同研究でも得られていたことを知りました。
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Research Products
(3 results)