2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17340048
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中屋敷 厚 Kyushu University, 数理学研究院, 准教授 (10237456)
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Keywords | シグマ関数 / タウ関数 / KPヒエラルヒー / アフィンヤコビ多様体 / 普遍グラスマン多様体 / アーベル関数 / D-加群 / 超楕円曲線 |
Research Abstract |
今年度は、昨年度確立した多変数シグマ関数の性質をもとに、超楕円曲線のアフィンヤコビ多様体のアフィン環のD-加群構造に関する以前の予想を種数3の場合に解決した、という内容の論文を完成させました。また引き続き多変数シグマ関数についても研究を行いました。 昨年度の研究でKPヒエラルヒーとよばれる可積分系の従属変数であるタウ関数の多変数シグマ関数による表示式を見つけましたが、今年度はそれをさらに詳しく研究し次のような結果が得られました。すなわち、(n,s)曲線とよばれる平面代数曲線のアフィン環の普遍グラスマン多様体への埋め込みを考え、その埋め込んだ像に対応するタウ関数のシグマ関数による表示式を明示的に決定しました。普遍グラスマン多様体の点が明示的に与えられた時、その点に対応するタウ関数のべき級数への展開は一般項が完全にわかります。したがってここで得られた表示式から逆にシグマ関数の展開がわかります。特に、シグマ関数の展開の初期項が無限遠点における空隙値から定まるシューア関数になること、および、展開係数が、曲線の定義方程式の係数の同次多項式になることが証明されます。これは昨年度の研究で証明した定理の別証明を与えています。シグマ関数の展開に関するより詳しい性質は現在研究中です。 さて、多変数シグマ関数の原点における展開を詳しく調べてきたのですが、それをリーマンのテータ関数の言葉に翻訳すると、ヤコビ多様体のテータ因子の特別な点における展開を調べていることになります。アーベル関数のD-加群構造を研究するという観点からいうと、テータ因子の勝手な点におけるリーマンのテータ関数の展開がどうなるか調べることは重要です。そこでこれを調べてみました。得られた結果は次の通り。勝手なコンパクトリーマン面のテータ因子の勝手な点におけるリーマンテータ関数の展開の初期項は適当なシューア関数になる。
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Research Products
(1 results)