2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17340055
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
面高 俊宏 鹿児島大学, 理学部, 教授 (50129285)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
羽部 朝男 北海道大学, 理学部, 助教授 (90180926)
藤沢 健太 山口大学, 理学部, 助教授 (70311181)
小林 秀行 自然科学研究機構, 国立天文台, 教授 (20211906)
川口 則行 自然科学研究機構, 国立天文台, 教授 (90214618)
今井 裕 鹿児島大学, 理学部, 助手 (70374155)
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Keywords | VLBI / メーザー / 銀河中心 / 相対VLBI / 大気位相補償 / アンモニア分子 |
Research Abstract |
本研究は、大学が使用可能なVERA,北大11m鏡、国土地理院32m鏡、情報通信研34m鏡、岐阜大11m鏡、山口32m鏡、臼田64m鏡、鹿児島34m鏡、中国上海25m鏡で基線長100kmから3000kmのVLBI網を構築し、我が国が先行している光ファイバーを利用した広帯域VLBI観測による高感度化、また鹿児島大学1m光赤外線望遠鏡によるミラ型変光星の観測を進め、理論グループとの協力により銀河中心領域の全体像の解明を目指すプロジェクトである。観測網の整備もかなり進み、観測も進みだし結果が出だした。以下列記する。 1.国立天文台、岐阜大、国土地理院が共同で開発した「e-VLBIシステム」を利用して、野辺山45m鏡と鹿嶋34m鏡の間で22GHz帯でのフリンジ検出に成功した。22GHz帯での高感度観測の今後の展望を示せた。 2.鹿児島大学グループが情報通信研の開発したサンプラーを利用して広帯域デジタル分光系の開発に成功した。 3.SgrA*のフレア検出のため、岐阜大11m鏡と鹿嶋34m鏡との間で光通信によるVLBI観測を試み、検出に成功した。今後1ヵ月おきにモニター観測を行い、フレアの光度曲線及びその変動時間のスケールを明らかにする。 4.鹿児島6m鏡搭載のデジタル分光計による銀河系中心領域のアンモニア分子の(J,K)=(1,1)(2,2)、(3,3)輝線の同時観測によるマッピング観測が目標領域の60%まで進んだ。既にAOS観測により、終了した(1,1)、(2,2)の同時観測については銀河中心領域のアンモニアの広域分布が明らかになり、特にG0.9+0.1領域に興味深い観測結果が出ており現在論文を作成中である。 5.VLBI水メーザーマッピング観測により晩期型星IRC 10011に双極流を発見し、現在論文作成中。 6.晩期型星NML Tauの1周期に亘るSiOメーザーのVLBI観測を行った。SiOメーザーは楕円状に分布し、楕円の主軸の方向が周期によって変化する可能性がで今後一般的な現象か詰めたい。これも現在論文にまとめ中 7.鹿児島大学1m光赤外線望遠鏡を用いて野辺山45m鏡ポインチング用のSiOメーザー源であるミラ型変光星の近赤外線測光観測を行った。ミラ型変光星の周期光度関係を用いて距離を出し、質量放出とSiOメーザー強度の間に比例関係があることを見つけ現在論文作成中。 9.新しい位相補償観測法「2段階位相補償法」を、大学連携VLBIアレイで観測し、従来の方法に比べて、位置天文精度が6倍向上し、本手法が理論どおり大変に有効であることを実証した。心この成果はPASJへ投稿された。 10.北大グループによる11m鏡を用いた銀河系内の巨大分子雲のアンモニアの観測が進んでいる。 11.VERAによるproper motionの計測が成果を出始め、既にオリオンAとS269までの距離が求められ、学会で発表される。今後銀河中心領域の星までの距離を計測したい。
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Research Products
(6 results)