2007 Fiscal Year Annual Research Report
ガンマ線バースト用広視野散乱型硬X線偏光検出器GAPOMの展開
Project/Area Number |
17340061
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
三原 建弘 The Institute of Physical and Chemical Research, 牧島宇宙放射線研究室, 先任研究員 (20260200)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小浜 光洋 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部, 研究員 (30333313)
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Keywords | 偏光X線 / ガンマ線バースト / 散乱型偏光計 / 気球実験 / 小型ソーラーセール実証機 |
Research Abstract |
H19年度は、気球実験データの整約、準備気球実験の実施、探査機搭載の提案を行った。 1.気球実験のデータの整約 前年度H18(2006)年6月13日に行った気球観測実験のデータの解析を行った。1時間強という短い積分時間にもかかわらず、90%信頼度レベルでカニ星雲の30-100keVガンマ線の偏光度に80%以下という上限値を付けることができた。また飛翔後、KEK PFで実験後較正実験を行い、そのデータの整理と解析を行った。これらは共に論文に発表した。 2.準備気球実験の実施 より安定した姿勢で気球実験を行うために、気球の方向制御を目的とした準備気球実験を行った。我々はPSDを用いた太陽センサを開発し、CCDを用いた太陽センサとCCDカメラによる太陽像直接撮影データと比較し、姿勢決定精度の誤差の見積もりなどを行った。上空での実機の制御パラメタ決定に用いるための基礎データが得られた。 3.探査機搭載の提案 2010年5月に打ち上げが予定されている「小型ソーラーセール実証機」に、サイエンス機器としてガンマ線バースト偏光検出器の搭載を提案し、具体的な機器の設計などの準備を進めた。本探査機は金星軌道という遠距離まで達するため、ガンマ線バーストの到着時間の差からガンマ線バーストの到来方向を測定するInter Planetary Networkという方法が可能となる。時間差は数分間にもなり、方向にもよるが、1秒の時間精度で到来時間を測定すれば、0.1度の角度精度でバーストの方向を円弧領域に特定できる。また本科研費で開発された偏光検出器を搭載することで、視野内で起きたガンマ線バーストについてガンマ線放射自身の偏光を測定することができる。
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Research Products
(7 results)