2005 Fiscal Year Annual Research Report
大強度偏極中性子ビームの開発による三核子相互作用のスピン依存性の研究
Project/Area Number |
17340064
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岡村 弘之 東北大学, サイクロトロン・ラジオアイシトープセンター, 教授 (10221144)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠塚 勉 東北大学, サイクロトロン・ラジオアイシトープセンター, 助教授 (10134066)
寺川 貴樹 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10250854)
伊藤 正俊 東北大学, サイクロトロン・ラジオアイシトープセンター, 助手 (30400435)
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Keywords | 実験核物理 / スピン偏極 / 中性子ビーム / 核力 / 多体相互作用 / レーザー光ポンピング |
Research Abstract |
本研究では、大強度スピン偏極中性子ビームを得るために、レーザー光ポンピングにより偏極されたルビジウム蒸気を使い、水素原子とのスピン交換によって偏極水素原子ビームを生成して、ECRイオン源によりイオン化するという手法を提案している。今年度は、先ずスピン偏極したルビジウム蒸気を生成するシステムの開発、および、水素分子を解離して原子ビームを生成し、アルカリ蒸気と相互作用させるシステムの製作までを目標とした。高偏極度・大強度ビームを得るためには、ルビジウムの偏極度を高く保ちつつ高い蒸気密度を達成する必要があり、鍵となるのは大強度のレーザー光を効率良くルビジウムに吸収させる点である。吸収光の波長は795nmであるので、廉価で大強度の半導体レーザーが利用可能であるが、ルビジウム原子のドップラー広がりによる吸収幅が1GHz未満であるのに対して半導体レーザーの発光幅は約1THzもあり、1000分の1程度のパワーしか有効に使う事ができない。このため従来は、発光幅は非常に狭いが高価なTiサファイア固体レーザーを使い、光モジュレーターによって逆に幅を広げる事により高い吸収効率を達成するのが一般的だった。本研究では、この状況を打破するため、単一結晶の半導体レーザーと外部共振器を組み合わせる事により、数100MHzの幅に1W程度の大強度を集中して発振させるレーザーシステムの開発にとりかかった。波長幅を制限するエタロンの製作に時間がかかったため、システムとしては未だ完成に至っていないが、構成部品は揃っており、各種パラメータの最適化を始めようとしている。水素原子生成システムも平行して製作が進められた。来年度製作予定のイオン化部の設計・検討も行った。
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Research Products
(3 results)