2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17340075
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐々木 節 京都大学, 基礎物理学研究所, 教授 (70162386)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小玉 英雄 京都大学, 基礎物理学研究所, 教授 (40161947)
中尾 憲一 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90263061)
早田 次郎 京都大学, 大学院理学研究科, 助教授 (00222076)
田中 貴浩 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (40281117)
白水 徹也 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (10282716)
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Keywords | 高次元時空 / ブレーン世界 / ブラックホール / インフレーション宇宙 / 重力波 |
Research Abstract |
本年度は主にブレーン宇宙モデルの様々な側面の考察を進めた。 1.超弦理論・超重力理論に基づく宇宙論: フラックスを伴うコンパクト化は,高次元において時空がワープした構造を生み出す.このワープした時空構造が,高次元宇宙論の基本問題であるモジュライの安定化に大きな影響を及ぼすこと,およびワープが存在するとき4次元有効理論と元の高次元理論が同等でなくなることをIIB型超重力理論およびM理論に対して示した。また,弦理論と相対論からのアプローチの長所を組み合わせた新しいインフレーションモデル、余剰次元(バルク)中のフラックスによるブレーンワールドインフレーションモデルを提唱した。このモデルが予言する宇宙の曲率ゆらぎや重力波ゆらぎを計算し、観測と整合性を持つことを示した。 2.5次元時空におけるブレーン宇宙モデル: Randall-Sundrumブレーン宇宙におけるテンソルモードのゆらぎの生成について詳しく解析し、そのスペクトルを初めて明らかにした。一方,高次元時空特有の問題の一つに、ブレーン時空の安定性があげられる。そこで正エネルギー定理の拡張を矢野テンソルを用いて行った。その結果、正定値性が必ずしも保障されないことがわかった。 3.ブレーン宇宙におけるブラックホール・ブラックストリング: ブレーン宇宙モデルにおいて、宇宙ひもが合体によって線密度を増加させて行ったとき、それが重力崩壊してBlack stringを形成する可能性があることを明らかにし,その合体の頻度の評価を行った。また,加速器実験でのブラックホール生成を睨んで、高次元数値相対論の定式化,初期データの設定、予想される重力波の評価などを行った。
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Research Products
(6 results)