2005 Fiscal Year Annual Research Report
40km長線形衝突型加速器建設に必要な地盤、環境の研究
Project/Area Number |
17340084
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
菅原 龍平 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 教授 (20044761)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野崎 光昭 神戸大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (10156193)
山下 了 東京大学, 素粒子物理国際研究センター, 助教授 (60272465)
伴 秀一 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 放射線科学センター, 教授 (70141976)
横谷 馨 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 教授 (40141973)
吉岡 正和 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 大強度陽子加速器計画推進部, 教授 (50107463)
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Keywords | 加速器 / 地盤常微動 / 大深度トンネル / 環境評価 |
Research Abstract |
ILC(International Linear Collider)は、横に約550nm、縦に約4nmという微小な電子と陽電子ビームを衝突させて物理実験を行なうために、加速器の機器、特にビームをガイドし、収束させる電磁石の振動および変位が小さくなければならない。ビームが衝突する加速器中心付近では、その垂直方向の振動が1nmを越えてはならない。そのためILCの建設候補地では、地盤の常微動が小さくなければならず、また地盤変動も長期的に安定でなくてはならない。以上の観点からILC建設候補地を具体的に検討するために、北上地区、阿武隈地区、北茨城地区、そして福岡・佐賀地区に広がる花崗岩地帯を調査・検討することにした。 1.地盤常微動の調査 北上地区にある国立天文台水沢観測所所有の江刺地球潮汐観測施設においてILC建設候補地における地盤常微動を2005年春に測定した。それまで蓄積してきたKEK(軟弱地盤)および兵庫県放射光施設SPring-8(岩盤)における測定、および佐賀県背振山脈を貫通する三瀬道路トンネル内(岩盤トンネル内での車の振動調査)における測定結果と合わせて、いろいろな地盤での常微動の比較検討を行なった。この結果は2005年7月に台湾で行われた低エミッタンス蓄積リングにおける地盤常微動および施設に関する研究会(文献1)、および2005年8月に米国Snowmassにおいて行われた第2回ILC加速器研究会において発表した。 2.各地区の文献および現地調査 2005年4月に阿武隈地区を、同年11月に北上地区を踏査した。他の福岡・佐賀地区および北茨城地区の現地調査は前年度までに終了しており、これらの結果も含めて次年度まとめる予定である。また建設関連コンサルタント会社に依頼し、上記4地区における50km長直線トンネルの構築について検討を依頼し、それぞれ「背振・北上地区調査検討業務報告」、「阿武隈地区現地調査業務報告」および「北茨城地区現地調査業務報告」として報告を受けている。これらは我々研究者サイドで設定したルートも含めて、広範囲なルート候補地の検討を行なったものであり、更にそこにおけるトンネル構築の概略検討、将来においてなされるべき検討項目についてのまとめがなされている。その後モデル地区を一ヶ所に絞り、より具体的な検討を依頼し、「トンネル建設検討」、および米国サイト候補地との比較「LCトンネル建設、米国サイトとの比較」という報告を受けている。これらはいずれも、これからILC建設を具体的に検討していくための基本的な指針となるものである。
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[Journal Article] Ground Motion Measurement and Vibration Suppression at KEK2005
Author(s)
R.Sugahara, M.Masuzawa, S.Takeda, H.Yamaoka, M.Yoshioka, C.Zhang, S.Matsui, S.Yamashita, T.Itoh, Y.Nakayama, K.Tada
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Journal Title
KEK Preprint (Contributed to the Workshop on Ambient Ground Motion and Civil Engineering for Low Electron Storage Ring, NSRRC, Taiwan, July 21-22, 2005) 2005-77
Pages: 15