2008 Fiscal Year Annual Research Report
一軸方向加圧環境を含む高圧下NMR装置の開発と強相関電子系への適用
Project/Area Number |
17340107
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤原 直樹 Kyoto University, 大学院・人間・環境学研究科, 准教授 (60272530)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上床 美也 東京大学, 物性研究所, 准教授 (40213524)
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Keywords | 高圧 / NMR / 酸化物 / 超伝導 / 金属絶縁体転移 |
Research Abstract |
高圧NMR装置に関しては、定荷重方式による4万気圧級圧力下での測定技術開発を中心に研究してきた。4万気圧まで安定して加圧できる装置の構築に一昨年成功している。この装置を使って3.8万気圧下で銅酸化物梯子格子圧力誘起超伝導体の測定を行った。金属状態では絶縁体梯子格子に見られるようなスピン一重項生成によるスピンギャップが存在し、その値は3万気圧までは一定であるが、超伝導が現われる3万気圧以上の領域では減少することが高温の緩和率より明らかになった。低温での緩和率は温度に比例しいわゆるコリンハ則に従うものと考えられる。その係数は状態密度の2乗に比例することから、圧力印加とともに状態密度が増大していることを示している。最適圧力である4万気圧までの圧力領域で圧力印加とともに転移点が上がるのは状態密度の増大により起こると考えられる。また、ゼロ磁場で核四重極共鳴を圧力下で行い、この物質の二つの異なる銅サイト、つまり梯子と一次元鎖サイトの共鳴周波数を測定した。周波数は、圧力をかけると梯子サイトでは高くなるが、鎖サイトでは低くなる。このことから、ホールは圧力印加とともに鎖サイトから梯子サイトに移動することがわかった。このことから、状態密度の増大はホールの移動により生じると考えられる。この結果は現在投稿中である。
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Research Products
(10 results)