2006 Fiscal Year Annual Research Report
メゾスコピック系の伝導における相互作用と導線の効果
Project/Area Number |
17340115
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
羽田野 直道 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (70251402)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
町田 学 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (40396916)
榊 裕之 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (90013226)
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Keywords | 物性基礎論 / 統計力学 / メゾスコピック系 / 量子ホール効果 / 量子細線 / 量子ドット / スピン軌道相互作用 / 非エルミート量子力学 |
Research Abstract |
町田と羽田野と御領潤(青山学院大学・理工学部・助手)は、ブロッホ電子の量子ホール系で非平衡効果を議論した。縦コンダクタンスとホールコンダクタンスを計算する際の電位差をスイッチオンした効果を取り入れ、チャーン数の周りの時間的振動の公式を導いた。具体的な場合について数値計算で振る舞いを確認した。 西野晃徳(東京大学・生産技術研究所・研究機関研究員)と羽田野は、電子間相互作用のある量子ドットに導線がついた系をベーテ仮設法で厳密に扱い、任意の電子数に対して電流の量子力学的期待値を計算した。その結果、相互作用がないと現れない共鳴ピークを発見した。これはこの分野で世界初の成果である。 中村祐一(東京大学・大学院理学系研究科・博士課程2年)と羽田野は、非エルミート化した1次元ハバード模型と1次元ハイゼンベルク模型で、基底状態の固有値が不糞化する臨界点が、それぞれの模型の相関長の逆数に等しいことを発見した。これは羽田野とDavid Nelson(ハーバード大学・物理学科・教授)が10年前にランダム電子模型で導いた、複素化臨界点と局在長の関係に倣うものである。 羽田野と白崎良演(横浜国立大学・工学研究院・助教授)と中村浩章(核融合科学研究所・助教授)は、スピン軌道相互作用のある量子細線を議論し、電位差に比例して磁場と垂直に生じる磁化を発見した。また、スピン軌道相互作用が非可換ゲージ場理論で扱える事を指摘し、それに基づいて完全スピンフィルターとなる干渉路を理論的に提案した。
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