2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17340117
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
金田 行雄 名古屋大学, 大学院工学研究科, 教授 (10107691)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 克哉 名古屋大学, 情報連携基盤センター, 教授 (60134441)
石原 卓 名古屋大学, 大学院工学研究科, 助教授 (10262495)
芳松 克則 名古屋大学, 大学院工学研究科, 助手 (70377802)
吉田 恭 筑波大学, 大学院数理物質科学研究科, 助手 (30335070)
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Keywords | 乱流 / 直接数値シミュレーション(DNS) / 間欠性 / エネルギー散逸率 / Wavelet / Coherent成分 / 壁乱流 / Sinc法 |
Research Abstract |
研究の目的は計算科学的手法を用いて乱流の基礎的側面に絞りその物理を明らかにすることである。本年度は概略以下に示す成果を得た。 (A)乱流場の普遍的構造: (1)周期境界条件下の乱流の直接数値シミュレーション(DNS)によるデータを用いて、昨年度に引き続き各種統計量のデータ解析を行った。とくに乗算ランダム過程の観点からエネルギー散逸率の間欠性のスケール依存性を明らかにした。(2)大スケールにおける普遍性について、大きな計算領域でのDNSを実行し、ロイチャンスキー仮説(大規模渦の不変則)の検証と理論的検討を行った。 (B)乱流場の情報縮約手法: 周期境界条件下の乱流の直接数値シミュレーション(DNS)によるデータのWavelet解析を行ない、主要(Coherent)成分およびその他の(Incoherent)成分の統計的性質を調べた。Coherent成分は、どのスケールにおいても、元々の乱流場との相関がよいこと、Coherent成分が非線形相互作用を十分に保持していることが分かった。 (C)壁乱流: 固体壁をもつ乱流場の最も典型的なものとして、(1)二平板間の乱流と(2)一平板を過ぎる乱流境界層をとりあげ、そのDNSを高精度・高解像度かつ高速に行うための数値計算コードの開発を行なった。 (1)についてはSinc法を用いたDNSコードを作成し、従来のスペクトル法(フーリエ・チェビシェフタウ法)との比較と性能評価を行なった。(2)についてもSinc法を用いたスキームにおいて核となる部分の計算精度と計算コストを評価し、予備的なDNSを行った。 なお、9月に、IUTAM(国際理論・応用力学連合)のシンポジウム"Computational Physics and New Perspectives in Turbulence(乱流の計算物理と新しい展望)"を開催し成果発表、研究推進を行なった。
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Research Products
(8 results)