2005 Fiscal Year Annual Research Report
液晶におけるパターン形成の解明-ソフトモード乱流と一般化揺動定理-
Project/Area Number |
17340119
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
甲斐 昌一 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (20112295)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日高 芳樹 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (70274511)
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Keywords | ソフトモード乱流 / 時空カオス / オブリーク・ロール / 2次元XY系 / 欠陥格子 / 時空間欠性 / ネマチック液晶 / 電気対流 |
Research Abstract |
本研究では、非平衡開放系の散逸構造の示す非線形揺動の統計力学的な性質を、揺動散逸定理を中心とした平衡あるいは線形非平衡系で確立されてきた統計力学と比較することにより、明らかにすることを目的としている。研究対象である液晶電気対流系では、液晶分子の配向制御によって場の対称性の異なる2種類の系をつくることができ、この対称性の違いによって現れる揺動にも違いがあることがわれわれの研究で明らかになってきている。本研究ではさらに次のような研究成果を得た。まず連続回転対称性をもつホメオトロピック系では、対流波数ベクトルと液晶配向子が一種の2次元XY系としてふるまい、両者の非線形相互作用によって「ソフトモード乱流」と呼ばれるマクロ揺動(時空カオス)が発生する。通常の2次元XY系では熱揺動により点欠陥が生じるが、ソフトモード乱流では、対流波数ベクトルと液晶配向子の相互作用がオブリーク・ロール対称性をもつ場合には、線状欠陥が現れることを明らかにした。一方、連続回転対称性が強制的に破れたプレーナー系では、欠陥格子と呼ばれる高次秩序構造から乱流へ遷移する過程を調べ、以下のことを明らかにした。欠陥格子は、部分的に秩序(格子)構造が崩壊して無秩序(乱流)領域が現れる時空間欠性を示し、制御パラメータ上昇とともにその乱流領域が広がって乱流へ遷移する。また、充分にゆっくりと制御パラメータを変化させた場合には、この遷移過程にはヒステリシスは現れない。さらに、秩序状態と乱流状態を極小としてもつ現象論的ポテンシャルを考え、そこに揺動力を加えた拡張されたLangevin方程式によって、この乱流への遷移過程が説明できることを示した。
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Research Products
(6 results)