2005 Fiscal Year Annual Research Report
不純物原子・分子を分光学的マイクロプローブとする液体・固体ヘリウムの量子物性研究
Project/Area Number |
17340123
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
森田 紀夫 福井大学, 工学部, 教授 (30134654)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森脇 喜紀 国立大学法人富山大学, 理学部, 助教授 (90270470)
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Keywords | 液体ヘリウム / クライオスタット / レーザー分光 / レーザーアブレーション |
Research Abstract |
本年度は,研究代表者が現在の所属機関(福井大学)に異動して実質上最初の年度であるため,補助金と研究期間の大部分を研究の基盤となる実験装置の設計・購入・設置と装置全体の立ち上げのために費やした。具体的には,光の導入・検出が可能な超流動液体ヘリウム用のクライオスタットの設計と製作,クライオスタット内部を高速に排気・減圧してより低温にするためのメカニカルブースターポンプ(BOCエドワーズ社製EH500)の購入と設置,それの後ろを十分に排気するための大型ロータリーポンプ(BOCエドワーズ社製E2M80)の購入と設置,さらにクライオスタット内部に挿入する液体・固体ヘリウム用セルの内部を高速に排気・減圧するためのターボ分子ポンプ(バリアン社製V70LP)の購入,それら全てを結合するための配管系とヘリウムガスを操作するための配管系の組み上げ,試料のレーザーアブレーションとレーザー分光のためのYAGレーザー3台と色素レーザー2台および高調波発生器2台の設置と立ち上げ,および電源・冷却水・排気系統を含む実験室全体の整備,などである。クライオスタットは,当初は金属製クライオスタットを予定していたが,予算上の都合と,試料部分の観察の容易さを重視して,十分な面積の合成石英の窓板を四方に持つパイレックスガラス製のクライオスタットを製作した。ただし,通常のガラス管二重デュワー構造とは違い,窓板部分の外管と内管を繋ぎ合わせて,光が液体窒素の中を通ることのないようにし,外管内の液体窒素中の泡が光を擾乱することが無いよう工夫した。これまでの予備的な実験結果を基にして,これらの新しい装置を用いて次年度以降本格的な実験を行う予定である。
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