2008 Fiscal Year Annual Research Report
磁気圏-電離圏結合における電離圏の能動的役割の研究
Project/Area Number |
17340145
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
藤井 良一 Nagoya University, 太陽地球環境研究所, 教授 (00132712)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野澤 悟徳 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 准教授 (60212130)
小川 泰信 国立極地研究所, 研究教育系, 講師 (00362210)
大山 伸一郎 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教 (20444424)
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Keywords | プロトンオーロラ / 電離圏 / 磁気圏 / EISCAT / トロムソ / 沿磁力線電流 / 電離圏電流 |
Research Abstract |
本研究課題の目的は、(1)電離圏電気伝導度の急激な変動に対する磁気圏-電離圏(M-I)結合系の応答の解明、および(2)下向き沿磁力線電流領域の沿磁力線電場生成への電離圏の能動的寄与の解明である。本研究課題では、トロムソ(北緯69.6度、東経19.2度)にて、(1)EISCAT電離圏加熱装置と3局方式のEISCAT UHFレーダーを用いた同時実験の実施、(2)プロトンオーロラ撮像用の全天プロトンイメージャーをトロムソに設置し、既存の電子オーロラ観測機器を併用して、EISCAT UHFレーダーとの同時観測を実施した。これらの実験から得られた観測データを解析して、課題達成に向けて、現象の解明を試みた。 平成17年度に製作した全天プロトンイメージャーを、平成18年10月からトロムソに本格的に設置し、平成20年2月まで冬期(暗夜)自動観測を行った。同様に、電子オーロラを発生させる降下電子の平均エネルギーとフラックスを求めるため、4波長フォトメータによる、冬期(暗夜)自動観測を実施した。2006年10月20日に実施された、EISCATレーダー、全天プロトンイメージャー、フォトメータ、デジタルカメラによる同時観測データを解析した。このイベントではプロトンオーロラの発光と同時に、約100-300kmの広い高度領域における急激な電子密度の減少と、電離圏電場の増加に起因するイオン温度上昇がEISCATレーダーにより観測された。そこで、電子密度消失イベントでの電子密度高度プロファイルの時間変化を詳細に調べる事により、その消失過程として考えられる移流と再結合の効果について、吟味した。また、イオン温度上昇の原因と考えられる電場強度上昇の高度分布から、ペダーセン電流の寄与と、降り込み粒子の流れを考察した。これらの結果をまとめ、JGR誌に投稿した。
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Research Products
(16 results)