2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17340153
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山田 努 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50321972)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井龍 康文 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (00250671)
吉村 和久 九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (80112291)
相沢 省一 群馬大学, 工学部, 助教授 (20008527)
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Keywords | 環境変動 / シャコガイ / 成長線 / 古日射量 / 古水温 |
Research Abstract |
本年度は、シャコガイ殻のマイクロサンプリングを行うために本補助金で購入した機器(マクロスコープおよびマイクロマニュピレーター)の立ち上げ作業およびシャコガイ殻の同位体比分析に関する予備実験を行った。本マイクロサンプリング装置は、本来シャコガイ殻のような硬組織から粉末状の試料を削りだして回収する装置ではないために、削りだした粉末試料の回収法の確立および回収率の向上を目指して、装置の改良を行った。現在も試行段階ではあるが、同位体比分析や微量元素分析に必要な量の粉末試料を回収できる目途がたってきた。また、既存の顕微鏡用CCDカメラや画像処理システムを本マイクロサンプリング装置に組み込み、シャコガイ殻の微小成長線(日輪、幅が10〜80μm程度)を画像データとしてPCに取り込み、成長線の幅を計測するシステムをくみ上げた。現在、いくつかのシャコガイ殻の成長線の解析を行っているところである。さらに、同位体比分析の予備実験として、以前に採取したシャコガイ殻1個体の同位体比分析を行った。殻の内層部分を成長軸方向に20μm毎(時間分解能は1日以下)に削り、それらの炭素・酸素同位体比を分析した。その結果、特に酸素同位体比は生息水温を正確に反映して変化していることが明らかとなった。炭素同位体比は、酸素同位体比ほど振幅の大きな季節変化を示さないが、成長線の幅や日射量と対比することで、1日毎の石灰化量(殻成長速度)を反映している可能性が高いと考えられる。本年度予定していた化石シャコガイの採取は、日程の都合で実施することはできなかったが、平成18年度夏までには実施する予定である。 研究協力者であるフランスIRDセンターのCabioch、Correge両博士も、平成16年末に採取したシャコガイ殻の分析を進めている。
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