2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17340167
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中井 俊一 The University of Tokyo, 地震研究所, 准教授 (50188869)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
羽生 毅 海洋研究開発機構, 地球内部変動研究センター, 主任研究員 (50359197)
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Keywords | コアーマントル相互作用 / タングステン同位体 / ハフニウム182 / 海洋島玄武岩 / ICP質量分析計 / 消滅核種 / スーパープリューム |
Research Abstract |
本研究は,地震波のトモグラフィーにより深部のマントルから上昇するプリュームに関係していると考えられる海洋島の火山岩に,コアーマントル相互作用の地球化学的証拠が存在するかを検証した.コアとマントル間に同位体の差があると予想される,182ハフニウム-182タングステンを用いて研究を進めた. 平成19-20年度はれまでに開発したタングステン精製法を用いて,サモア,セントヘレナなどの海洋島玄武岩,中央海嶺玄武岩の,タングステン同位体比析を行った.ICP質量分析計を用いたタングテン同位体比測定の再現性について検討し,182W/183W比が0.3ε程度の精度で測定可能なことを確認した.各試料については,タングステン同位体比のみではなく,タングズテンを含む微量元素濃度を測定した.20以上の岩石試料を分析したが,コアーマントル相互作用の痕跡を示す,タングステン同位体比の異常は認められなかった.試料中のタングステン濃度から推定したマグマの起源物質のタングステン濃度とタングステン同位体比の測定精度,コアのタングステン濃度と同位体比の推定値から,今回測定した岩石試料に含まれるコア物質は0.5%以下であると考えられる.これまでの結果をまとめると,地球のマントルにはタングステン同位体比の不均質は認められない,コアーマントル相互作用の影響も認められないということになる.南太平洋の試料について議論した投稿論文一報が受理され,全体の成果を別の論文にまとめているところである.タングステン濃度が薄い試料についての分析法の開発も行っている.
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[Journal Article] U-Th dating of carbonate nodules from methane seeps off Joetsu, Eastern Margin of Japan Sea2008
Author(s)
Watanabe, Y., Nakai, S., Hiruta, A., Matsumoto, R, Yoshida, K.
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Journal Title
Earth Planet. Sci. Lett. 272
Pages: 89-96
Peer Reviewed
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