2006 Fiscal Year Annual Research Report
非中性プラズマを用いた荷電多粒子系の平衡分布形成と輸送機構の制御的実検研究
Project/Area Number |
17340173
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
際本 泰士 京都大学, 大学院人間・環境学研究科, 教授 (50018040)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阪上 雅昭 京都大学, 大学院人間・環境学研究科, 教授 (70202083)
|
Keywords | 非中性プラズマ / 渦 / 乱流輸送 / 共鳴過熱 / 径方向輸送 / 熱平衡分布 / スペクトルのカスケード |
Research Abstract |
(1)強磁場下の純電子プラズマと波動との相互作用によって誘起される粒子輸送の実験的検証の詳細化を更に推し進めた.この輸送過程については,前年度までの実験結果に基づき,準線形理論の枠内で空間輸送と速度空間の輸送(加熱)が,波動のエネルギー運動量を一定の比率で分かち合いつつ進行することを予言していた(Phys.Plasmas 2005)が,実験で観測された電子密度分布の時間変化はこの理論モデルと定量的にもよく一致した.(Phys. Plasmas 2006)更に,電子温度の空間分布を測定し,空間輸送と速度空間輸送が予言に近い形態で進行していることを確認した.(International Workshop on Non-neutral Plasmas 2005, Denmark) (2)Penning平衡状態におかれた純電子プラズマの3次元熱平衡密度分布の時間変化を2次元の画像データから高速で導出する手法を開発し,孤立熱平衡プラズマの緩和過程を詳細に追跡することに成功した.更に,この手法で得た自己無撞着の電位分布を有効に利用することによって,1%以下の微小量の電子を抽出するだけで電子温度を評価できる技法を創案した.これによって,電子は周囲からの熱輻射を吸収しつつも,サイクロトロン放射によって,室温に向かって緩やかに冷却することを見いだした.(Phys. Plasmas 2006) (3)二次元渦運動に関する実験では,不安定な初期状態に発する乱れた渦運動を乱流として捉え,空間分布の緩和過程を実空間と波数空間とを対応させつつ解析した.これによれば,強い渦が合体する過程では弱い渦がスパイラル状に放散し,系全体の角運動量やエネルギーが保存されること.高波数側へはエンストロフィーのカスケードが支配的に進行し,低波数側へはエネルギーのカスケードが進行することが明瞭に示された.(JPSJ2006, Phys. Rev.投稿中2007)
|
Research Products
(6 results)