2005 Fiscal Year Annual Research Report
不純物多価イオンの磁気双極子禁制線を利用したプラズマ分光計測の新展開と可能性
Project/Area Number |
17340177
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
森田 繁 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 教授 (80174423)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 基志 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (00290916)
武藤 貞嗣 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (40260054)
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Keywords | プラズマ分光 / プラズマ計測 / 磁気双極子禁制線 / 原子分子 / 高温プラズマ / 核融合 / イオン温度 / 真空紫外 |
Research Abstract |
平成17年10月より開始されたLHD実験において,アルゴンパフ及び不純物ペレット入射を行うことにより,磁気双極子禁制線に関する詳しい観測と同定を行った.これらのスペクトル観測にあたっては可視及び真空紫外の2つの領域で研究を進めた.また,可視域アルゴン多価イオン禁制線の2次元画像を観測するために,CCDカメラに干渉フィルターを取り付け,計測を開始した.具体的な研究実績は下記の通りである. 1.LHDのアルゴン放電を用いて首尾よく多くのアルゴン多価イオン磁気双極子禁制線を可視及び真空紫外の両領域で観測・同定することに成功した.禁制線の放出メカニズムを解明するためにArX可視禁制線(5533Å)と共鳴線(165.53Å)との強度比を測定した.強度比の明瞭な密度依存性が明らかとなり,その結果,禁制線を放出する基底状態上準位の占有密度は密度の上昇と共に飽和し,輻射遷移から電子及びイオン衝突脱励起が支配的となっている事が実験的に初めて明らかとなった.同様な観測をTiやFeに関しても行った(Physical Review誌に投稿予定). 2.TiやFeの禁制線に関しては高エネルギーイオン衝突による励起が期待され,現在,NBI高速イオン励起を含めた禁制線放射強度計算とデータ解析を進めている(Letterとして投稿予定). 3.可視域磁気双極子禁制線の偏光分光を開始し,通常の電気双極子遷移とは偏光方向が全く逆であることが明らかとなった.また,得られたデータのσ及びπ成分の強度比から,NBI高速イオン励起から結論付けられるスペクトル線の偏光成分を解析し始めている. 4.CCDカメラによる画像計測により,ArXの2次元像を取得することに成功した.Hα光による画像とは明らかに異なっており,現在,3次元磁気面構造との比較を行っている(速報として投稿予定).
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Research Products
(7 results)