2005 Fiscal Year Annual Research Report
固液界面の単一分子挙動解析のための超高感度・超解像振動分光法の確立
Project/Area Number |
17350013
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
二又 政之 独立行政法人産業技術総合研究所, 界面ナノアーキテクトニクス研究センター, 主任研究員 (20344161)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 直樹 独立行政法人産業技術総合研究所, 実環境計測・診断研究ラボ, 主任研究員 (10344219)
清水 敏美 独立行政法人産業技術総合研究所, 界面ナノアーキテクトニクス研究センター, センター長 (10357220)
増田 光俊 独立行政法人産業技術総合研究所, 界面ナノアーキテクトニクス研究センター, 主任研究員 (70358000)
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Keywords | 1分子計測 / 走査プローブ顕微鏡 / 分子認識 / 表面・界面物性 / 超薄膜 |
Research Abstract |
1.単一分子感度ラマン分光の確立 金属ナノ粒子の接合部に色素分子が吸着したときに、接合部に巨大電場が形成されるという我々の「ギャップモデル」について、それを指示する実験的証拠を得た。(1)理論計算により、分子の電子状態を媒介として、近接銀ナノ粒子の局在プラズモンが効率的にカップルすることで、本来電場が減衰するはずの分子内部に、共鳴波長で巨大な電場が形成されることが初めて明らかになった。電磁気学的共鳴により単一分子感度が得られるとの示唆を得た。同等の結果を金ナノ粒子について得た。 (2)また電子移動相互作用(化学増強効果)がどのように寄与しているかを明らかにするために、表面増強ラマン散乱(SERS)活性化剤として一般に用いられる塩化物イオンの濃度とSERS増強度の関係について検討した結果、塩化物イオンは、銀コロイド調製時に表面に残留するクエン酸系化合物を置換し、ローダミンなどのカチオン系色素の静電的吸着を助ける役割を担っていることを直接確認した。今後、基板上に固定した孤立または接合する金属ナノ粒子への塩化物イオンの添加によるSERS活性の変化を解析することで、局所的電子状態形成とそのSERS増強への寄与を詳細に解明する。 (3)局所電場の理論計算の予測に基づいて、ナノ粒子リソグラフィ法で形成したナノ三角柱構造の精密な形状制御により、単一分子感度を効率的に与える金属ナノ粒子配列構造を構築し、吸着分子の単一分子ラマン感度を確かめる。エッジをできるだけシャープにするために基板とポリスチレン粒子及び銀の密着性や蒸着条件の制御を行い、Tiの下地膜を利用して、表面の平滑さを数nm以下に改善し、水溶液系で安定な金ナノ三角柱の調製に成功した。数値計算で局在プラズモン電場を最大化した金ナノ構造を得たのち、実際にSi基板上にポリマーレジストの電子ビームリソグラフィとリフトオフ法により、形成しSERS活性を測定し、有用性を確かめた。今後、近接金属ナノ粒子やシャープなエッジ構造の形成を行うことで、超高感度SERSデバイスの実現を進める。
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Research Products
(7 results)