2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17350025
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
小宮 三四郎 東京農工大学, 大学院共生科学技術研究院, 教授 (00111667)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 雅文 東京農工大学, 大学院共生科学技術研究院, 助教授 (70251585)
小峰 伸之 東京農工大学, 大学院共生科学技術研究院, 助手 (90302918)
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Keywords | 水 / 水溶性ジメチルパラジウム / 錯体還元的脱離 / 水溶性ホスフィン |
Research Abstract |
(1)水溶性ジメチルパラジウム錯体の合成と同定 N, N, N', N'-テトラメチルエチレンジアミン(tmeda)を配位子とするジメチルパラジウム(II)錯体との配位子交換によりヽトリフエニルホスフィントリス(3-スルホン酸ナトリウム)(P(C_6H_4SO_3Na-3)_3,TPPTS)、トリフエニルホスフィンモノ(3-スルホン酸ナトリウム)(PPh_2(C_6H_4SO_3Na-3),TPPMS)や1,3,5-トリアザ-7-ホスファアダマンタン(P(CH_2NCH_2)_3,PTA)を配位子とする水溶性ジメチルパラジウム錯体PdMe_2L_2(L=TPPTS, TPPMS, PTA)を合成した。これらの錯体は、種々の核磁気共鳴スペクトル、赤外スペクトルなどの分光学的手法、単結晶X線構造解析および化学反応性などにより同定した。 (2)水溶性有機パラジウム錯体の反応 水溶性ジメチルパラジウム錯体の水中での還元的脱離反応について検討を行った。cis-PdMe_2(TPPMS)_2を水中で加熱したところ、パラジウム-炭素結合の加水分解だけでなく、パラジウム上において炭素-炭素結合生成を伴う還元的脱離反応も進行した。さらに、電子吸引性置換基を持つオレフィンを添加することにより還元的脱離が促進され、アクロレインなどのα位にカルボニル基を持つオレフィンでは還元的脱離の促進効果が著しく強いことを明らかにした。また、動力学的な検討を行った。水中における反応では、錯体1分子からエタン1分子もしくはメタン1分子が発生する一次の並行反応であった。気体の発生量をもとに算出した擬一次反応速度定数から、反応の活性化パラメータを求めたところ、律速段階が会合的機構であることが明らかとなった。
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Research Products
(7 results)