2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17350030
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
築部 浩 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00144725)
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Keywords | 希土類発光 / アニオンセンシング / トリポード / デンドリマー / 希土類タンパク / トランスフェリン / pH応答性 |
Research Abstract |
希土類錯体は、ダイナミックな電子構造や多様な配位化学に基づいて興味ある分子認識機能を発現する。本研究では、ナノスケールで構造制御した三次元配位子をもつ希土類錯体系を新たに設計・合成して、優れた選択性と高い効率をもつ超分子認識機能の賦与と、希土類錯体に特徴的な発光特性を活用した光情報変換系の開発を目指した。 本年度には、1ナノメーターから10ナノメーターに至るナノサイズをもつ希土類錯体の開発を目指して、デンドリマー希土類錯体とタンパク複合型希土類錯体を取り上げ、希土類配位構造と分子認識機能との相関関係を重点的に検討した。 (1)デンドリマー希土類錯体の合成と機能化 デンドリマー型配位子では、1〜10ナノメーター規模の三次元空間を与える超分子構造を合成化学的に精密に制御できる。本年度には、デンドリマー型配位子の機能素子として、希土類錯体形成と光アンテナ機能を発現できるトリポード型化合物を合成し、三元錯体の形成挙動と希土類発光を用いたアニオン認識機能を検討した。 (2)タンパク複合型希土類錯体の開発 特徴ある分子認識機能を発揮する『天然タンパク』の分子特性に注目して、水溶液中でも優れた基質認識機能と発光特性を発揮する希土類錯体の開発を図るため、本年度は、鉄イオン輸送タンパクである天然トランスフェリンの金属中心を希土類イオンへと置換して、ナノスケールをもつタンパク複合型希土類錯体を調製し、水溶液中での光応答機能の賦与に成功した。
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Research Products
(3 results)