2006 Fiscal Year Annual Research Report
4族遷移金属ポストメタロセン錯体の合成と小分子の活性化
Project/Area Number |
17350031
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Research Institution | Institute for Molecular Science |
Principal Investigator |
松尾 司 分子科学研究所, 錯体化学実験施設, 助手 (90312800)
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Keywords | ポストメタロセン / チタン / ジルコニウム / ハフニウム / 4族遷移金属錯体 / フェノキシド配位子 / チオラート配位子 / キレート効果 |
Research Abstract |
平成18年度は、平成17年度に引き続き、多座フェノキシド配位子を補助配位子とする4族遷移金属錯体の研究を行った。分岐状三脚型フェノキシド配位子では、チタン-炭素結合を有する新規なアトラン錯体を合成した。ジルコニウムアトラン錯体と分子構造を比較した。アニソール-フェノキシド混合型三座配位子では、チタン、ジルコニウム錯体に加えて、ハフニウム錯体を合成した。アニソールとフェノキシドの2種類の配位子を有する4族遷移金属錯体の構造学的特徴について系統的に調査した。酸素配位子であるフェノキシドと硫黄配位子であるアリールチオラートを組み合わせた新規な混合型二座配位子を設計・開発した。この配位子を有するチタンのクロロ、アミド、アルキル錯体を合成して結晶構造を明らかにした。混合型配位子の金属周りの配位環境に及ぼすキレート効果、立体効果、電子的効果について詳細に検討し、反応活性な金属錯体分子を創出する上での重要な知見を得た。オルト位に嵩高いアダマンチル基が置換した単座フェノキシド配位子を有するジルコニウム錯体を研究した。ジクロロ錯体の還元反応により、ベンゼン環が2つの金属によってサンドイッチされた二核錯体を合成することに成功した。 また、様々なフェノキシド配位子を有するジルコニウムアルキル錯体とトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランとの反応により、カチオン性ジルコニウム錯体を調製した。このカチオン種を触媒として、二酸化炭素のダブルヒドロシリル化反応を調査した。効率良くジシロキシメタン化合物に変換されることを見いだした。ボランの存在化、エーテル結合はヒドロシランと容易に反応し、シロキサンとメタンに変換されることを明らかにした。
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Research Products
(3 results)