2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17350037
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
石黒 愼一 Kyushu University, 大学院・理学研究院, 教授 (80111673)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅林 泰宏 九州大学, 大学院・理学研究院, 准教授 (90311836)
神崎 亮 九州大学, 大学院・理学研究院, 助教 (50363320)
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Keywords | イオン液体 / イミダゾリウム / ピロリジニウム / アンモニウム / 超強酸 / 液体構造 / プロトン移動 / X線回折 |
Research Abstract |
イオン液体は分子構造が複雑であり、その結果、分子内と分子間相互作用が3-7オングストロームの距離で重なっている。本研究では、溶液X線回折、DFT計算およびMDシミュレーションを用いてこの相互作用を分離して捉えることに成功し、カチオンとアニオンの近距離相互作用だけでなく、イオン液体の20オングストロームに及ぶ長距離液体構造を明らかにした。この結果は、世界でも始めて得られたもので、様々なイオン液体の液体構造解析に適用できる。実際、様々な鎖長のアルキル基を有するイミダゾリウムカチオン系やピロリジニウムカチオン系イオン液体へ適用し、有機カチオン周りのアニオン分子の分布、原子配向の違いや特徴を見出すことができた。一方、カチオンが解離しうるプロトンを含むアルキルアンモニウム系プロトン性イオン液体では、一部がカチオンからアニオンにプロトン移動し、この結果、イオンに加えて中性の塩基と酸分子が共存するようになる。その割合は生成する塩基と酸分子のプロトン親和性に依存する。本研究では、プロトン移動の割合を直接ポテンショメトリーで見積もることを世界で始めて成功し、様々なプロトン性イオン液体の自己解離定数を決定した。この結果、超強酸、強酸、弱酸のアニオンでは、カチオンとの水素結合が大きくことなり、これがイオン液体の自己解離能を左右することがわかってきた。
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Research Products
(4 results)