2006 Fiscal Year Annual Research Report
高感度LC-MS分析を実現する質量分析用ラベル化試薬の創製と応用展開
Project/Area Number |
17350039
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
鈴木 孝治 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (80154540)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小松 広和 慶應義塾大学, 理工学部, 助手 (10407140)
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Keywords | 医療分析 / 環境分析 / 質量分析用ラベル化試薬 / 重金属イオン / 生体試料 / マスプローブ |
Research Abstract |
本年度の研究では、生化学分析用としてDNA用の液体クロマトグラフ(LC)-質量分析(MS)用ラベル化試薬を発展させ、バイオ計測、環境計測への応用を考えている。 1)環境重金属測定用質量分析(MS)用ラベル化試薬開発 昨年度までに重金属イオン分析用質量分析試薬として、複数(最大でNが6)のポリアミンをベース分子骨格として、重金属イオンと準選択的に複合体を形成し、質量分析時の質量電荷比を調節できる化合物を8種類合成した。ほとんどの重金属イオンは、定性・定量できたが、水銀イオンは感度が小さかった。本年度は、さらに合成種を6つ増やし、12員環のアザクラウン化合物にヨウ素アニオンを添加する系が、最も感度がよく、水質環境基準値を下回る水源濃度検出を可能とした。 2)タンパク質検出用質量分析(MS)用ラベル化試薬開発 光開裂部位、タンパク質結合部位、イオン化部位の3つの機能部位をあわせ持つ質量分析(MS)用ラベル化分子を設計、合成した。基板の固相に測定試料の抗原あるいは抗体を固定化し、開発した分子でラベル化した抗体あるいは抗原を加えると、抗原・抗体反応が起きる。その状態で紫外線を照射すると、ラベル化分子の一部が開裂する。切断された断片の質量(100-200質量)を質量分析計で測定することにより、試料中の抗原あるいは抗体の定性および定量分析が可能となった。2-ニトロベンジル基、タンパク質中のシステインにラベル化するためのマレイミド基、および光開裂後に遊離する断片が質量分析しやすいように、4級アンモニウム基を導入した。アルキル鎖長などを変化させ、分子量を互いに異なる複数の質量分析試薬分子を設計合成することで、IgG抗原の検出に成功した。
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Research Products
(3 results)