2006 Fiscal Year Annual Research Report
生体溶液試料用in-situ軟X線分光測定システムの開発
Project/Area Number |
17350041
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
脇田 久伸 福岡大学, 理学部, 教授 (50078581)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 一雄 大阪電気通信大学, 工学部, 教授 (50076832)
横山 拓史 九州大学, 大学院・理学院, 教授 (20136419)
田中 順三 東京工業大学, 大学院理学研究科, 教授 (10343831)
栗崎 敏 福岡大学, 理学部, 助手 (20268973)
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Keywords | 超軟X線分光スペクトル / 生体試料測定システム / 装置開発 / XANESスペクトル / 差動排気システム / 塩化ナトリウム / in-situ / シンクロトロン |
Research Abstract |
本年度は昨年度作製した超軟X線分光スペクトル測定装置用生体試料測定システムをシンクロトロンのビームラインに接続するための差動排気システムを設計および製作した。製作した差動排気システムを用いて昨年度製作した超軟X線分光スペクトル測定装置用生体試料測定システムを佐賀県立九州シンクロトロン光研究センターの県有ビームラインBL-12に接続する実験を行った。接続完成後、真空度の確認や溶液セルの動作確認を行った。その後実際にX線を入射しX線の光軸調整等を行い試料のX線吸収スペクトル測定を行う準備をした。はじめに装置の性能評価を行うために本研究で開発したセルを用いて基準試料とし、塩化ナトリウム粉末のNa K XANESスペクトル測定を行った。得られた測定結果を県有ビームラインBL-12で測定した結果と比較したところ同様の良好なNa K XANESスペクトルが得られていることが分かった。次に生体試料に含まれる代表的な金属イオンとしてナトリウムイオンのin-situ測定をめざした。そこで飽和濃度の塩化ナトリウム水溶液のNa K XANESスペクトル測定を行った。その結果、粉末の塩化ナトリウムの測定結果とはピーク形状が明瞭に異なるNa K XANESスペクトルを測定することができ、アメリカのALSに設置してある溶液セルで測定した結果と同様のスペクトルを得られたことが分かった。このスペクトルをDV-Xα分子軌道法で解析したところ八面体構造を持つ6水和イオンであると解析できた。この結果より、本装置により生体試料中の軽金属イオンのXANESスペクトルがin-situで測定・解析できることが明らかになった。
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Research Products
(5 results)