2007 Fiscal Year Annual Research Report
カチオンーπ目互用による立体配座制御を基盤とする不斉合成反応の多面的展開
Project/Area Number |
17350046
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
山田 眞二 Ochanomizu University, 大学院・人間文化創成科学研究科, 教授 (30183122)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武次 徹也 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90280932)
矢島 知子 お茶の水女子大学, 大学院・人間文化創成科学研究科, 助教 (10302994)
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Keywords | カチオンーπ相互作用 / 分子内相互作用 / コンフォメーション制御 / 触媒反応 / 面選択的付加反応 / 立体選択的合成 / 位置選択的合成 / 光付加環化反応 |
Research Abstract |
19年度は、分子間カチオンーπ相互作用を利用するcis-スチリルピリジン類の光[2+2]付加環化反応を検討した。当初、cis-スチリルピリジン類もtrans体と同様に、 head-to-tail型で二量体を生成するものと考えたが、予想に反し、syn-cis-anti型の生成物を与えることを見出した。これは、cis体どうしの二量化は立体障害のため反応が起こらず、cis体がtrans体に異性化した後、cis体と反応したためと考えられる。その際、カチオンーπ相互作用が関与することで本生成物が得られたものと説明できる。 また、trans-スチリルピリジン類の固相における光反応も検討した。固相光反応では、溶液中と同様に塩酸塩ではsynHH体が選択的に得られた。一方、中性化合物では付加生成物は得られなかった。本結果は、カチオンーπ相互作用が固相[2+2]光付加環化反応においても、選択性制御に有効であることを示すものであり、カチオンーπ相互作用により結晶構造を制御できることも示している。
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