2005 Fiscal Year Annual Research Report
単一金属塩による触媒的エノラート化と直接アルドール反応への展開
Project/Area Number |
17350049
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
金政 修司 九州大学, 先導物質化学研究所, 教授 (20038590)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 淳二 九州大学, 先導物質化学研究所, 助手 (60155140)
|
Keywords | 触媒的金属エノラート化 / 単一金属塩 / 環境調和型の製造プロセス / 求核剤前駆体のエノラート化 / 触媒的基質活性化手法 / 直接アルドール反応 |
Research Abstract |
21世紀が求めるグリーンな物質変換を達成するには、エネルギーおよび物質利用の高効率化を可能とする新しい環境調和型の製造プロセスの基盤技術を確立することが急務である。この観点に立脚して、単一金属塩のカチオン・アニオン部位にルイス酸・塩基機能をもたせて、ほぼ中性条件下で求核剤前駆体分子を金属エノラート化する環境調和型の触媒的基質活性化手法を確立し、触媒下での直接アルドール反応を確立することを本申請研究の研究目的とした。初年度である2005年度の研究から、以下の研究成果を得ている。 (1)各種求核剤前駆体を用いて、金属酢酸塩による効果的な金属エノラート化に成功した、 (2)反応溶媒としてはアルコールを使用することが必須であった、 (3)エノラート濃度を高める工夫を施せば、高い反応性が獲得できることを見い出した、 (4)活性なアルデヒドとのアルドール反応に成功した、 (5)しかし、高いエナンチオ選択性は観察できなかった、 (6)反応の可逆性が選択性欠如の主要因であることを明らかにした、 (7)可逆性を封じる方法を適用すれば、高い選択性が得られることを見い出した、 (8)金属ルイス酸触媒と反応溶媒の適切な組合せにより、求核剤前駆体を直接活性化する触媒下でのエナンチオ選択的直接アルドール化反応の開発に成功した、しかし、 (9)エナンチオ選択性は70%eeに留まった。
|
Research Products
(3 results)