2007 Fiscal Year Annual Research Report
実践的金属複合反応場:有機金属ポリマーに固定した多核金属錯体による触媒反応の実現
Project/Area Number |
17350050
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
永島 英夫 Kyushu University, 先導物質化学研究所, 教授 (50159076)
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Keywords | 合成化学 / 触媒・化学プロセス / クラスター / 触媒固定 / 高分子反応 |
Research Abstract |
本研究は、クラスターの開発、クラスターを有機金属ポリマー中に固定した触媒とそれを用いた触媒反応を開発することを目的とし、(a)錯体の設計・合成、(b)構造・電子構造解析、(c)動的挙動・素反応解析、(d)従来の触媒反応条件での触媒活性の検証、(e)有機金属ポリマーへの触媒固定、(f)高分子反応場での触媒反応の達成、を実施して分子触媒反応に新しい領域を切り開いている。本年度は、錯体としてルテニウムクラスター錯体を触媒反応として、ヒドロシランの活性化を経由するカルボン酸誘導体の還元反応の有機合成化学的展開を実施し、2級アミドの選択還元による2種類の生成物の選択的合成、予期せぬ新反応である1級アミドからニトリルの合成を実現した。また、高分子状シロキサン内の金属種の固定について他金属(主として、後周期遷移金属種)を検討し、その系統理解を図った。白金触媒を用いた実用的なアミド還元を多様な官能基をもつ基質の還元反応を確立した。また、イリジウム触媒を用いたエナミンの合成法も新規に開発している。いずれの反応においても、反応の活性や選択性に及ぼす、Si-H基の効果、高分子マトリクスとして用いたポリメチルヒドロシロキサンの架橋度、金属の種類、核数等についての基礎的な知見を収集したさらに、シロキサンを用いているポリマーマトリクスを、有機アルミノキサンポリマーへの拡張を図った。並行して、触媒機能をもつクラスター錯体の設計と合成、機能開発をあわせて実施した。
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Research Products
(21 results)