2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17350053
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
正田 晋一郎 東北大学, 大学院工学研究科, 教授 (10143364)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 厚志 東北大学, 大学院工学研究科, 助手 (90361138)
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Keywords | 糖オルトエステル / グリコシル化 / 糖供与体 / 糖炭酸エステル / 糖加水分解酵素 / アセチルエステラーゼ / オリゴ糖 / 糖鎖 |
Research Abstract |
一年間の研究成果と展望 1.糖オルトエステル誘導体の簡易合成と加水分解酵素のスクリーニング 糖オルトエステル誘導体は有機合成手法によるグリコシル化反応のドナー基質として有用な化合物である。糖オルトエステルの既往の合成法は、求核剤として第四級アンモニウム塩、酸補足剤として嵩高い第三級アミンを必要とし、後処理も非常に煩雑である。そこで、後処理が容易なフッ化カリウムを用いる糖オルトエステルの実用的な合成法を開発した。また、加水分解酵素を用いるグリコシル化反応のドナー基質としての利用を目的として、糖オルトエステル誘導体を加水分解する酵素を探索した。しかし,現段階においては、糖オルトエステル誘導体を加水分解する酵素は見出されていない。 2.糖環状炭酸エステル誘導体の合成と化学的性質 1-O-炭酸エステルは、分子内脱炭酸を伴うグリコシル化反応のドナー基質として用いられている。しかし,糖の1,2環状炭酸エステルに関する研究は少なく、保護基として用いた例が報告されているのみである。本研究では、環状炭酸エステル誘導体に着目し、1,2-O-カルボニルグルコース(グルコース炭酸エステル》を合成した。糖加水分解酵素を用いるグリコシル化反応のドナー基質としての利用を目的として、グルコース炭酸エステルを加水分解する酵素を探索した。その結果,Rhizopus由来の酵素製剤であるSumizyme MCに加水分解活性が認められた。精製の結果、グルコース炭酸エステルを加水分解する活性は、低分子量のペプチドに由来することが分かった。さらに、このペプチドはアセチルエステラーゼ活性も示すことから、基質認識の広いエステラーゼがグルコース炭酸エステルを加水分解することを明らかにした。
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