2006 Fiscal Year Annual Research Report
多環高分子トポロジーの精密設計に基づく高分子ナノ構造体構築
Project/Area Number |
17350054
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
手塚 育志 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 教授 (80155457)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
足立 馨 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 助手 (40401533)
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Keywords | トポロジー高分子 / ポリTHF / テレケリクス / 環状アンモニウム塩 / トポロジー異性体 / 共有結合化 |
Research Abstract |
これまでの研究で、ポリテトラヒドロフラン(PTHF)の末端に導入した種々の環状アンモニウムカチオンと安息香酸アニオンとのイオン結合から共有結合への変換反応において、N-フェニルピロリジニウムカチオンではほぼ定量的に5員環環状アンモニウム塩の開環反応が起こり、N-フェニルピペリジニウムカチオンでは90%近くの6員環環状アミンの脱離反応が起こることが明らかとなっている。そこでこの反応における環状アンモニウムカチオンの環サイズの影響および対応する環状アミンの塩基性度の影響や環上に導入したヘテロ元素に伴う反応選択性について検討した。窒素原子の対角に酸素原子を有する6員環アンモニウムカチオンであるN-フェニルモルフォリニウムカチオンと安息香酸アニオンとの反応において、90%近い脱離反応が確認され、同じく6員環を有するN-フェニルピペリジニウム塩の場合とほぼ同じ反応選択性を示した。このことから、モルフォリンの塩基性度(pKa=8.3)はピペリジン(pKa=11)と大きく異なるにもかかわらず、この反応においては環サイズの影響が支配的で、対応するアミンの塩基性度や窒素原子の対角に導入した酸素原子の影響は小さいことが明らかとなった。 また環状高分子同士の組み合わせによる異なる高分子トポロジーへのアプローチとして、2種類の単環状高分子同士をクリックケミストリーにより結合させ8の字型高分子の合成を行った。まず環上にそれぞれアジド基及びアルキン基を有する単環状PTHFを合成した。これらの単環状高分子を等モル混合し銅触媒存在下室温で撹拝したところ、アジド基とアルキン基がクロスカップリングし8の字型高分子トポロジーが得られた。得られた8の字型PTHFは^1H NMR, IR,MALDI-TOF MS, SECから同定した。
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