2006 Fiscal Year Annual Research Report
半屈曲性星型高分子の精微特性解析ならびに相挙動と秩序構造の解明
Project/Area Number |
17350057
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉崎 武尚 京都大学, 工学研究科, 教授 (90230705)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 洋 京都大学, 工学研究科, 助教授 (90243162)
長 昌史 京都大学, 工学研究科, 助手 (50332721)
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Keywords | 半屈曲性高分子 / 星型高分子 / ポリ(n-ヘキシルイソシアナート) / 精微特性解析 / 相挙動 / 平均二乗回転半径 / 定常輸送係数 / MCシミュレーション |
Research Abstract |
本課題は,ポリ(n-ヘキシルイソシアナート)(PHIC)を用い,半屈曲性星型高分子の分子形態と集合体構造の解明を目的としている.平成17年度は申請計画調書に記載した4項目の目標達成を目指して研究を推進した.各項目の進捗状況は以下の通りである. 1.3本腕星型PHICの合成と分別精製:Goodson-Novakの方法に従い,3官能チタン触媒を開始剤とするリビング配位重合法によって,種々の分子量の3本腕星型PHICを合成した.本課題の目的のためには,各腕の分子量が揃っていることを確認しなければならない.そのために,腕の付け根のエステル結合のみを加水分解し,各腕の分子量を決定することを試みたが,そのエステル結合のみを選択的に切断することは困難であった.そこで,先に各腕をリビング重合し,最後にカップリング反応を行って3本腕星型PHICを合成すること検討している. 2.静的光散乱法を用いた測定試料の分子量決定:静的光散乱法により,合成された試料の重量平均分子量を適宜決定した. 3.動的光散乱法を用いた並進拡散係数に関する予備的実験:本補助金でLD励起CWレーザーを購入し,これまで使用していたアルゴンイオンレーザーから光源を変更した.この変更にともない,(1)レーザー発生装置の筐体の違いに合わせた光学系アラインメントの仕様変更,(2)光源波長の変化(488nm→532nm)後のデータ再現性の確認が必要である.すでに,これら二つの作業を完了し,現在は他の線状半屈曲性高分子について新たなデータを収集しながら光度計の安定性を確認している. 4.星型みみず鎖を用いた定常輸送係数理論の構築:線状みみず鎖に対する3本腕星型みみず鎖の固有粘度の比をKirkwood-Riseman法を用いて数値計算し,得られた結果に基づいて内挿近似公式を構成した.得られた理論結果を用いて3本腕星型PHICの精微特性解析が可能である.現在,論文発表の準備を行っている. 以上,本課題を遂行する上で最も重要な試料調整が若干遅れ気味ではあるが,ほぼ予定通り進んでいる.
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Research Products
(3 results)