2006 Fiscal Year Annual Research Report
表面へのπ機能団の導入を機軸とする半導体ナノ粒子の発光制御とセンシングへの応用
Project/Area Number |
17350062
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小西 克明 北海道大学, 大学院地球環境科学研究院, 助教授 (80234798)
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Keywords | 環境材料 / 分子認識 / 超分子化学 / 半導体微粒子 |
Research Abstract |
本研究は、表面に有機部位を導入した半導体クラスター類を用い、申請者らが独自に見いだした「表面π官能団と外部物質との相互作用にともなうクラスター発光変化」を基盤に、「色(光吸収)」や「発光」の変化で応答するセンシングシステム・材料を創製することを目的とした。 昨年度までの研究で、代表者は、1)表面に12個のアリール基を導入したCdSクラスター分子Cd10S4(SAr)12の近傍に、4級アンモニウムイオンがπ相互作用で表面置換基の間にインターカレートして集積化し、さらにそれがクラスター由来のオレンジ色発光を著しく増大させる、2)発光色(波長)、発光強度が、表面置換基の電子的性質に大きく依存する、ことを見いだしてきた。本年度は、表面置換基にオリゴエーテル基、カルボキシル基、スルホ基などの親水性基を導入した水溶性のクラスターの合成を行い、水中でのゲスト応答性を調べた。その結果、オリゴエーテル修飾型クラスターがCu(l)、Ag(l)イオンとの相互作用に応答して、著しい発光の増強を示すことを見いだした。この応答はこれらの金属イオンに極めて特異的であり、他の第一周期遷移金属、アルカリ、アルカリ土類金属イオンの共存下でも同程度の応答性を示す。さらに、アニオン表面をもつクラスターと有機カチオン類との相互作用、応答性を調べたところ、ポリリシン、ポリエチレンイミンをはじめとするポリカチオンに対して著しい正の発光応答を示すことがわかった。この応答性は、ポリカチオン種に特異的であり、単純なモノアンモニウムイオンは全く応答性を示さない。以上のように、本研究では発光性のCdSクラスターをベースに表面のπ系置換基を設計することで、いくつかのゲストに特異的に正の発光応答性を示すゲストセンシングシステムを構築することに成功し、今後発光センサーとして応用するに当たって有用な指針を得ることができた。
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Research Products
(2 results)