2005 Fiscal Year Annual Research Report
機能性芳香環錯体の集積によるナノキラリティーの構築
Project/Area Number |
17350063
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小林 長夫 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60124575)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村中 厚哉 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20374902)
|
Keywords | フタロシアニン / ポルフィリン / 円二色性スペクトル / キラリティー |
Research Abstract |
1.計画書に記載したスクリュー型テトラアザポルフィリン3量体錯体は、目的物の構成ユニットとなるキラルなトリス(フェナントロリン)ルテニウム錯体とアミノ基を持つ低対称性テトラアザポルフィリンを合成することができた。プロペラ型フタロシアニン5量体に関しては、フタロシアニンを連結するキラルなユニットを合成するために、原料となるテトラヒドロキシビフェニルとジヒドロキシフタロニトリルを合成した。 2.計画書に記載したクロリンに類似したスペクトル特性を持つテトラアザポルフィリン2量体、オリゴマーの構築に関しては、原料となるピリジル基を2つまたは4つ有するテトラアザポルフィリン(C_<2v>,D_<2h>タイプ)の合成に成功した。この構成ユニットとキラルビナフチル基を持つパラジウム錯体を混合させたところ、約730nmの近赤外領域に強い励起子型円二色性(CD)シグナルが観測され、テトラアザポルフィリン色素の励起状態が非局在化していることが証明された。 3.研究計画調書で計画した以外にもナノスケールのキラリティーを有する錯体分子の構築又は解析を行った。天然由来キラル分子であるプロシアニジン(カテキン・エピカテキンを1ユニットとするオリゴマー)にオキソチタニウムフタロシアニン錯体を配位させて、フタロシアニン錯体が4つ配位した複合体(分子量約4300,推定長さ約3ナノメートル)を構築することに成功した。得られた複合体はフタロシアニンの吸収の領域(約700nm)に強いCDシグナルを示しフタロシアニンどうしが秩序あるキラルな配置をとることが証明された。また、既知化合物ではあるが、長さが約2ナノメールある縮合型ニッケルポルフィリン2量体のキラル構造を時間依存密度半関数(TDDFT)法を用いて決定した。
|
Research Products
(20 results)