2006 Fiscal Year Annual Research Report
機能性芳香環錯体の集積によるナノキラリティーの構築
Project/Area Number |
17350063
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小林 長夫 東北大学, 大学院理学研究科, 教授 (60124575)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村中 厚哉 東北大学, 大学院理学研究科, 助手 (20374902)
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Keywords | フタロシアニン / ポルフィリン / 円二色性スペクトル / キラリティー |
Research Abstract |
17年度の研究を継続し、フタロシアニン系色素のキラルな集合体の構築とその解析に関する研究を行うと共に集積体の原料となる種々の新規錯体の合成を行いその性質を調べた。これまで得られた結果は雑誌論文として報告した。研究結果の詳細について以下に示す。 17年度から研究を開始した天然由来キラル分子プロシアニジンとフタロシアニン錯体との複合体に関する研究を引き続き行った。プロシアニジンはカテキン・エピカテキンを1ユニットとするオリゴマーであり様々な種類が存在する。これまで研究した全てのプロシアニジンはフタロシアニン錯体とキラルな複合体を形成することが明らかとなった。これら複合体は全てフタロシアニンの吸収の領域に強い円二色性(CD)シグナルを示した。CDシグナルの強度や符号はプロシアニジンのカテキン・エピカテキンの数やその立体構造を反映することが見出された。 新規なナノスケールのキラルな色素集合体として、側鎖に光学活性炭素を有するアルコキシ基を導入したケイ素フタロシアニンμ-oxo体オリゴマーについて、三量体まで調製した。CDスペクトル測定の結果、R体とS体は鏡像関係にある正負反対符号のCDシグナルを生じ、らせんの向きが逆であることが判明した。スペクトルだけではらせん方向の判定は難しく、現在密度汎関数法(DFT)を用いてらせん構造について検討した。 フタロシアニン、ナフタロシアニン色素を用いた光学活性な2層及び3層の希土類錯体の構築を試み、右巻きらせん、左巻きらせんの化合物を得ることには成功したが、その光学分割までには到らなかった。
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Research Products
(18 results)