2007 Fiscal Year Annual Research Report
プロト細胞モデルの創出-膜複製ダイナミクスと内膜上DNA複製ダイナミクスの同期
Project/Area Number |
17350066
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
菅原 正 The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 教授 (50124219)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
豊田 太郎 千葉大学, 大学院・工学部, 助教 (80422377)
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Keywords | 原子細胞モデル / 自己複製ベシクル / ベシクル内膜上PCR / アニオン性膜分子 / 脂質-DNA合分子 |
Research Abstract |
1)双性イオン型膜分子からなるジャイアントベシクル内でのPCR法の確立 試行錯誤の結果,ついにジャイアントベシクルの内水相での高効率なPCR条件を確立し,ジャイアントベシクルの内水相でDNA2本鎖(1229ベーススペア)が増殖したことを蛍光プローブ(SYBRGrenI)の発色で確認すると共に,ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)の所定の位置に明確なバンドを検出した。これによりジャイアントベシクル内でPCRが進行したことの実験的証拠が得られた(日本化学会第88春季年会3C6-25)。現在速報を準備中である。 2)セルソーターを用いた自己生産型ジャイアントベシクルの集団解析 ジャイアントベシクルに対するフローサイトメトリー法による集団計測により,膜ダイナミクスの解析法を確立した。その手法を用いて,膜前駆体添加に伴うジャイアントベシクルの自己生産過程を,ベシクルー個当たりのサイズおよび蛍光触媒の含有量変化により追跡し,数世代にわたってベシクルサイズの初期分布が保たれていることを確認した[Langmuir2008]。,さらにセルソーターでの分取が可能な疎水性の高い膜分子からなる複製系を新たに構築し,自己生産後のサイズによりソートしたべシクル集団に膜前躯体を供与し,新たな分裂が起こることを確認した(日本化学会第88春季年会発表3L3-08)。 3)アニオン性ジャイアントベシクルを用いた自己生産系の構築ジャイアントベシクル内で酵素反応を行わせる上で不可欠な,アニオン性膜分子であるリン酸ヘテロジエステルからなるベシクルの自己生産系の構築に成功した。弱酸性の緩衝液中では,ベシクル膜表面が自己触媒効果を示し,膜分子前躯体が加水分解を受けベシクル自己生産ダイナミクスを引起すことを明らかにした(日本化学会第88春季年会発表3L3-17)。
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Research Products
(14 results)
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[Journal Article] Population Study of Sizes and Components of Self-Reproducing Giant Multilamellar Vesicles2008
Author(s)
Toyota, T., Takakura, K, Kageyama, Y, Kurihara, K., Maru, N., Ohnuma, K., Kaneko, K., Sugawara, T.
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Journal Title
Langmuir 24
Pages: 3037-3044
Peer Reviewed
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