2007 Fiscal Year Annual Research Report
革新的なプロトン導電機能性物質の開発と導電機構の解明
Project/Area Number |
17350068
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
佐野 充 Nagoya University, 大学院・環境学研究科, 教授 (90144097)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日比野 高士 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 教授 (10238321)
長尾 征洋 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 助教 (40432223)
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Keywords | プロトン導電体 / 導電機構 / 中温作動 / 無加湿作動 / コンポジット薄膜化 / 燃料電池 / ガスセンサ / 水蒸気電解 |
Research Abstract |
Sn_<0.95>Al_<0.05>P_2O_7粉体、種々の塩基性有機バインダー、テフロン(PTFE)等から成る有機/無機ハイブリット電解質膜を作製し、それらのガス透過性、耐熱性、プロトン導電率、膜強度等、を測定した。有機バインダーとしては、PBI、PI、PAI、PVdFの中から、上記性能パラメーター以外にマトリックス内での分散性の観点で最適なものを選定した。その結果、PBIを使用した場合に導電率、耐熱性、分散性が最も良く、しかもPBIがSn_<0.95>Al_<0.05>P_2O_7粒子上に存在する微量不純物であるP_xO_yを固溶してくれるため、試料の潮解性を完全になくすこともできた。Sn_<0.95>Al_<0.05>P_2O_7-PBI粉体の最終的な性能は、プロトン導電率が0.18Scm^<-1>、耐熱温度が225℃であった。 次にSn_<0.95>Al_<0.05>P_2O_7-PBI粉体をPTFEと複合し、圧延することで、約100μmのコンポジット膜を作製した。このコンポジット膜は、これまでのSn_<0.95>Al_<0.05>P_2O_7粉体やSn_<0.95>Al_<0.05>P_2O_7-PBI粉体の加圧成形体とは異なり、緻密でしなやかな形状をしていた。コンポジット膜の性能は、PTFE量に強く依存しており、PTFE量の増加とともに導電率が低下し、膜強度は向上した。これら二つの兼ね合いに基づいて最適PTFE量を10wt.%と決定した。このようにして得られたコンポジット膜の導電率は0.04Scm^<-1>@200℃、膜強度は2MPaであった。 さらに、この膜を電解質に使用した水素-空気燃料電池は、無加湿条件下でOCVが約1V、最高使用温度が200℃、最大出力密度が150-200℃で200m Wcm^<-2>以上に達した。この値は電極の最適化やMEA化を行った後の値ではないので、今後の改良によってさらに改善されることが期待できる。また、本燃料電池において、膜厚100μmから1mmまでの範囲で、OCVが厚さに依らず一定であり、一方オーミック抵抗値が厚さに比例していた。これらの結果から、このコンポジット膜はミクロンレベルで均一な組成であることが示唆された。
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Research Products
(7 results)