2007 Fiscal Year Annual Research Report
非線形応答を示す超分子を利用したセンシングシステムの創製
Project/Area Number |
17350071
|
Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
竹内 正之 National Institute for Materials Science, ナノ有機センター, グループリーダー (70264083)
|
Keywords | 高感度 / 分子認識 / 超分子化学 / アロステリック効果 |
Research Abstract |
本年度は、高感度化を目指し、1次元性の化学センサの構築とさらなる高次元配列を可能とする方法論を模索する。昨年度キシリレンジアミン部位はパラジウムと選択的に2:1錯体を形成するが、これを一次元ポリマーとした場合、23倍の感度向上が確認された。この系をさらに2次元、3次元高分子集合体へと変換し、10^3を超える感度の向上を目指した。また2次元、3次元高分子集合体の配列制御形式が感度に与える影響を検討するため昨年度見いだした高分子を配列させる機能性分子(Alignerと名付けられた)をさらに変更し、グリッド状集合体あるいは交互配列型集合体へと展開することに成功した。さらには、配列させるための新たな手段として、1次元高分子に巻き付くことの出来るオリゴマーを利用し、混ぜるだけで1次元性の化学センサが2次元に配列することを利用したセンシングシステムを検討するために、新規な巻き付き型ポリマーを合成し検討を行った。これらの結果を今後利用することにより、これまで以上の高感度読み出しが可能となると思われる。この考え方とは別に、高選択的な化学センサの設計・開発も行う。アロステリズムを示すホスト分子に不斉部位を導入することにより、多段階平衡を利用した「完全不斉認識」が可能な系を本年度は高分子化する手段を各種検討したが、現状では、機能を維持したまま高分子化することに成功していない。今後、開環重合が可能な官能基を修飾するなどにより新規な重合方法を検討し選択的分離剤への展開を目指すことが必要である。
|
Research Products
(16 results)